ワークフロー管理システムは, グループ作業を手順として記述し, その流れを管理するシステムである。本論文では, ワークフローにかかわる作業者の権限に着目して, 作業者がその権限の範囲内で状況に応じた例外処理を行なうための機構について述べる。まずワークフローにかかわる作業者の権限の集合から組織モデルを構築する。組織モデルは作業者の権限を検査する機構を与える。本論文で提案する組織モデルの特徴は作業者の権限が組織構造にしたがって委譲できることであり, ワークフローの例外処理の柔軟性を高めている。さらに作業者同士の作業状況を伝え, 作業者間のコミュニケーションを支援するためにアウェアネス支援機構を備えたユーザインターフェイスを開発した。提案する機構は作業手順だけでなく作業状況や組織情報を活用することによってワークフローの例外処理を柔軟に行なえることが特徴である。