軟弱地盤を改良する有効な手法の一つとして,安定材による化学安定処理工法がある。本研究では,粘性土の安定材による動的改良効果を安定材の種類および土粒子構造との関係から調べた。2種類の粘性土である大道粘土に石灰系およびセメント系安定材を加えて安定処理土を作り,繰返しせん断および静的せん断強度を求める実験を行った。両安定材の添加率(c)は5%である。実験によってセメント系安定材よりも石灰系安定材の方が大道粘土の繰返しせん断強度の増加をより大きくもたらすことが明らかになった。さらに,石灰系およびセメント系安定処理土の土粒子構造は未処理土に比べてより密で,より堅固になっていることが分かった。