トカマクプラズマの不安定モードであるm=1(ポロイダルモード数)n=1(トロイダルモード数)の運動論内部キンクモードに対するポロイダルシアー流の効果を, ジャイロ簡約MHDコード(GRM3D-2F)を用いて調べた。GRM3D-2Fは, ジャイロ運動論ブラソフ・ポアソン・アンペール系のモーメント方程式を基礎方程式とし, 運動論効果として, 電子の慣性と磁力線方向の電子の圧力勾配の効果が取り入れられている。ポロイダルシアー流はプラズマ中の径方向電場と, 外部磁場による, E×Bドリフトにより生成される。線形計算の結果として, 不安定性の成長率が小さいほど小さなシアー流により安定化されること, d_e<<ρ_s(d_eは電子の無衝突スキン長, ρ_sは電子温度T_eで測ったイオンのラーマー半径)の場合, シアー流による安定化の効果が大きいことが示された。実際の実験装置では, シミュレーションで用いたパラメータと比較して, 不安定性の成長率は小さく, またd_e<<ρ_sであるため, 比較的小さなポロイダルシアー流でも安定化の効果があることが予測される。
sheared poloidal flow
kinetic internal kink mode
collisionless electron skin depth
tokamak
gyrokinetic model
sawtooth crash
magnetic reconnection