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departmental bulletin paper
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Bulletin of Yamaguchi Science Research Center Volume 3
published_at 2023-07-20
Publishers : 山口大学山口学研究センター
Bulletin of Yamaguchi Science Research Center Volume 2
pp. 21 - 47
published_at 2022-03-01
山口の自然は、約46億年の地球の歴史の産物であり、地球の記憶を蓄積している。自然を眺めるだけの存在から、その記憶をひもとき、未来へ役立てる存在へとする活動に、ジオパークがある。ジオパークはユネスコの正式プログラムであり、地球の遺産を学び、守り、活用する活動である。山口県には2つのジオパークがあり、地質遺産を活用し、教育・保全を実施しながら、持続可能な開発を模索している。この2つのジオパークを中心に、山口県の自然について地球の記憶をひもとき、地球目線で自然を学び、楽しむ意義について考察した。
Bulletin of Yamaguchi Science Research Center Volume 2
pp. 17 - 20
published_at 2022-03-01
本稿は山口大学研究推進体「人と移動研究推進体」、及び、山口大学山口学研究プロジェクト「山口県におけるハワイ移民のビックデータ解析と新規事業の創出」が、英語作家ジャック・ロンドン(Jack London)研究における謎を解明したことの報告である。
ロンドンは以下の3点から日本との関わりが深い作家である。(1)日本についての作品や記事を発表している。(2)日本関連の作品を発表したラフカディオ・ハーン(Lafcadio Hearn, 小泉八雲)に関心を持ち、ロンドンの創作活動にその影響が伺える。(3)多くの日本人労働者を雇っていた。上記(2)はこれまでほとんど研究されていない。また、(3)は研究されてきたが、日本人労働者の中でロンドンと最も深く親交した中田由松については全く解明されていない。
上記2種研究プロジェクトにおいて、論者は山口県大島郡周防大島町沖家室島の機関誌『かむろ』の文学・文化表象について研究を進め、その過程で中田由松についての情報を入手した。この発見はロンドン作品における異文化表象の研究に、新たな知見をもたらすものである。さらに、これまで十分に考察されてこなかった、ロンドン作品の異文化表象における、ロンドンのハーン作品受容の影響を考察する上で、有効な視座となりうる。これらの点において、この発見は今後のロンドン作品研究に新たな展開をもたらすことが期待される。
また、『かむろ』の研究はこれまで(山口大学においては)十分になされてこなかった。さらに、散見するこれまでの『かむろ』研究では、『かむろ』を主に歴史・社会的資料として取り扱ってきた。今回の発見は『かむろ』が文化・文学的資源でもあることを示すものであると同時に、山口大学が山口の歴史・文化的資源に積極的に取り組んでいることを示すものでもある。
Bulletin of Yamaguchi Science Research Center Volume 2
pp. 10 - 16
published_at 2022-03-01
2019 年からスタートした山口学研究プロジェクト「SDGs によるスポーツ観光資源の開発」をベースとして、2020 年に応募した観光庁の中核人材育成事業「SDGs による山口県のスポーツ観光講座」が採択され、山口大学で講座を開講した。講座は山口県内の自然資源やスポーツ資源を活用して、アフターコロナでの観光およびスポーツの推進を目指す人材を育成するものである。ここでは、2年間の観光庁講座とスタッフで編成したユニットチームで実施した「ユニバーサルツーリズムと車いす」の実践報告も交え報告する。
Bulletin of Yamaguchi Science Research Center Volume 2
pp. 1 - 9
published_at 2022-03-01
農産物の多くは、その時代にあった新しい品種に置き換えられ栽培が行われてきた。その一つにカンキツがあり、現在、国内で最も栽培されているカンキツ品種はウンシュウであるが、明治初期にはミカン(蜜柑)、コウジ(柑子)に次いでクネンボ(九年母)が多く、クネンボの生産額は山口県が全国一であった。しかし、今ではクネンボ(Citrus nobilis varkunep)の名前を知る人もほとんどいない幻のミカンとなり、県内でクネンボの樹があるのかさえ分かっていない。このカンキツは、江戸から明治期の食文化を考える上で重要な農産物でもあり、当時の長州と英国との異文化交流などを知ることができる貴重な食材の一つなっている。クネンボを地域の資源として現代に復元させるために、県内の品種不明のカンキツからクネンボのスクリーニングを行った。天保期の長州藩の地誌『防長風土注進案』に記載されたカンキツの地理情報や史料、気象条件などからクネンボの探索地域を3 か所に絞り込み、次いでDNAマーカーであるCAPS(Cleaved Amplified PolymeraseSequence)を用いて農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)で保存されているクネンボ(NIAS Genebank, JP 117387)と県内に自生している品種不明カンキツのゲノムDNA の多型を比較することでクネンボの探索を行った。品種同定のために既存のカンキツ112 種を識別できる7 種のCAPS からなる最少マーカーセットを選抜し、次いでアレルの組合せが多様な交雑種からでもクネンボを識別させるために5CAPS を加えたマーカーセットを使用した。しかしながら、採取したすべてのサンプルにおいてクネンボを見出すことはできなかった。特に萩地域では、品種不明のカンキツの多くが小型のナツダイダイであり、長州藩家臣の屋敷跡地や植栽図で200 年以内に確実にクネンボが植えられていた園庭であっても、クネンボを見出すことはできなかった。一方、宗像大社の祭事で用いられてきたクネンボは、農研機構と同じ遺伝子型を示した。これらの結果は、ゲノムサイエンスにより、今まで曖昧であった地域の農産物などの品種を特定すると共に、かつてはその地域を代表する農産物でありながら現在では入手困難な農産物であっても、DNA 多型を調べることで「埋もれた地域資源」を掘り起こし、復活させることができることを示唆していた。
Creators :
Shibata Masaru
Higuchi Naoki
Motomizu Arito
Okazaki Yoshio
Nishioka Mari
Goto Yoshiko
Publishers : 山口大学山口学研究センター
Bulletin of Yamaguchi Science Research Center Volume 1
pp. 20 - 31
published_at 2021-03-16
本研究は、山口県における観光需要の季節変動性について、19 の市町における2013 年から2018 年の6 年間のパネルデータを用いて分析するものである。分析では、季節変動性に影響を与える要因を、自然的要因である気象データと社会的要因である祭りやスポーツイベント、遺産や美術館・博物館などのデータを用いて推定を行った。分析結果、(1)国内観光では、自然的要因では、日照時間、風速、降水量という気象要因が、社会的要因としては、祭り、国宝・重要文化財、記念物・天然記念物、国立公園・国定公園、動物園・水族館が、それぞれ観光需要を刺激する作用を持っていること、(2)訪日観光客では、美術館・博物館のみが観光需要の誘因となっていることが明らかになった。
Bulletin of Yamaguchi Science Research Center Volume 1
pp. 12 - 19
published_at 2021-03-16
本論は、ボランティア等の活動を通し、学生による様々な社会貢献について、文献と簡易な現地調査によって概観したものである。山口大学の場合、学生の学外での活動に対してサポートの歴史が長く、学生の活動内容も時代と共に変化してきている。学生の課外活動は単に変化しているだけでなく、次第に複合化し、高度化を遂げている。山口大学における学生による社会貢献の一例として、本論では2019 年度に実施されたインバウンド対応企画である「Mini Bus Tour」について紹介するが、従来型の異文化交流ツアーやモニターツアーよりも企画段階で良く練りあげられており、今後の継続次第では社会的・経済的な貢献も期待できる。
Bulletin of Yamaguchi Science Research Center Volume 1
pp. 5 - 11
published_at 2021-03-16
現代社会はグローバル化の影響を受けながらも、平和で持続可能なローカルとは何かを考えていく必要があり、学校教育においてもそうした課題に向き合える人材育成が求められている。また、新学習指導要領では高等学校において「歴史総合」・「地理総合」の必履修化が示され、それに対応する教材開発が求められている。本研究では、これらの課題を見据えながら、歴史的思考と地理的思考の両面とGIS 活用も含む学習活動について検討することとした。山口県の歴史事象を整理し、そのうち複数の題材をテーマとした座学とフィールドワーク、GIS 活用を組み込んだワークショップを開催した。座学とフィールドワークを一連とする学習形態は、参加者の主体的な学びを促すことに寄与し、身近な地域や生活の中に歴史があることが認識されると、関連する地域として世界を具体的に捉えることができるようになることが分かった。
Bulletin of Yamaguchi Science Research Center Volume 1
pp. 1 - 4
published_at 2021-03-16
絵画は、描かれると同時にそれらを構成している材料である顔料、接着剤(膠)、基底材(紙、板、布など)の劣化が始まるとされ、その時点から保存や補修を考える必要があると言われている。特に文化財としての価値故に保存されている絵画の修復は、その絵画を後世に伝えるという大きな役割を果たす必要がある。この修復に際して、過去に行われた修復がかえって絵画の劣化を引き起こしている事例が報告されており、主に昭和20 年代から30 年代に行われた合成樹脂を用いた修復において大きな問題となっている。その原因である劣化あるいは白化した合成樹脂層を取り除きつつ、さらに確実な修復を実現する方法が求められている。本報告では、日本画家であり国の選定保存技術保持者である馬場良治氏が開発した特殊な膠による絵画修復の作用機序について、モデル実験を通じて考察を試みた結果について述べる。
Journal of higher education Volume 20
pp. 83 - 91
published_at 2023-03
2021 年5月、就職相談を「就職相談・キャリア相談」へと変更した。コロナ禍で疲弊する学生たちの学生生活を含めたキャリア支援を明確にするためである。学生の相談ニーズは様々である。きっかけはエントリーシート添削であっても、主訴は生活苦であったり、学業への意欲喪失であったりである。必ずしも就職だけではない多様な状況への対応が必要とされ、その体制を整備してきた。就職支援室の相談は、就職活動の方法を教えるだけではなく、悩みに寄り添うだけでもない。ライフキャリアの観点からその両方に取り組む。適切にアドバイスをしながら、未来への一歩をアシストすることが求められる。
Journal of higher education Volume 20
pp. 73 - 82
published_at 2023-03
山口大学は2022(令和4)年度より,STEAM教育の導入を本格的に開始した。この動きの中で,共通教育において重要な役割を担うことになったのが「山口と世界」のSTEAM 科目化である。本稿においては,従来からの「山口と世界」の課題とそれへの対応を振り返るとともに,具体的にどのように「山口と世界」のSTEAM科目化を果たしたか実践例を報告する。また,実践例に則して,新たに生じた課題とそれへの対応を報告し,今後のSTEAM教育(ならびにアクティブ・ラーニング)の改善方策を考察する。
Journal of higher education Volume 20
pp. 69 - 72
published_at 2023-03
共通教育で開講している「環境と人間」の授業で「山口大学生(以下,学生と略)の環境マネジメント活動をどう活性化したら良いか」課題を出し,経済学部一年生からの回答をまとめてみた。学生は著者の「環境と人間」の授業の中で初めて山口大学(以下大学と略)の環境マネジメント活動,即ち環境負荷削減対応の取り組みに大変驚いている。同様に山口大学生活協同組合(以下,生協と略)の取り組みへも関心を持っている。学生は,大学の環境マネジメント活動を知る機会がないと感じており,環境関連の授業を座学だけではなく実習も要望している。大学は環境マネジメント対策部会が中心になって環境配慮活動を行っており,学生の参画は無い。ここでは学生視線からの環境配慮活性化策及び大学や生協への環境活動への要望についてまとめてみた。学生は部活,サークル,ボランティア活動を主体に環境活動を活性化できると考えている。
Journal of higher education Volume 20
pp. 66 - 68
published_at 2023-03
大学は教育研究機関であり化学物質を使う機会も多い。教育・研究活動を安全に実施するためには,化学物質に関する安全管理やその能力を付与する安全教育は重要である。2022年に公布された化学物質規制に関する法改正では,比較的少数の個別的化学物質の詳細な法規制遵守を重視する規制から,「リスクアセスメント」を基軸とする多数の化学物質の「自律的管理」重視の規制への移行が示された。この改正の内容に鑑み,現状の本学の化学物質体制では不十分と考えられる点は新たに見直す必要がある。改正法の中での特徴の一つに安全教育の徹底が求められている。これまで本学でも安全教育は各部局や各部署,研究室単位では随時行われていたが,令和4 年度は,新たに全学規模の講習会として,化学物質関連の法改正の説明,実際の化学物質管理,本学での化学物質管理支援システムの使用説明,に加えて外部の山口県警から化学物質を爆発物,を開催した。今回,実施した安全講習会のテスト理解度の結果と今後の化学物質管理体制及び安全教育についての方針をまとめてみた。
Journal of higher education Volume 20
pp. 58 - 65
published_at 2023-03
入学時にメンタルヘルス不調を認めた新入生の半年後の精神健康状態を調査したところ、悪化16%、不変36%、改善48%であった。改善の乏しい学生は対人不安や強迫傾向が残存しやすい傾向があり、相談への抵抗感や新生活への不適応を反映している可能性がある。また、大学生活や日常生活のストレスは、精神健康状態の悪化と関連している可能性があると考えられた。対人不安を抱えた学生をどう相談に繋げるかが今後の課題である。
Creators :
Higuchi Naoko
Kataoka Maho
Morifuku Orie
Fujikatsu Ayaka
Kobayashi Kumi
Uemoto Masami
Nakahara Atsuko
Umemoto Tomoko
Hatano Hiromi
Sumida Tomoko
Yamamoto Naoki
Okuya Shigeru
Publishers : 山口大学教育・学生支援機構
Journal of higher education Volume 20
pp. 54 - 57
published_at 2023-03
毎年,工学部新入生に入学前に数学学力テスト(数学プレースメントテスト)を行い,学力・理解度に応じてクラス分けを行っている。直近12年間の工学部新入生学力テストの結果をまとめた。毎年約600人の工学部全新入生を数学学力テスト結果から成績上位と下位の二つに分ける。学力下位約25%の学生は入学後週2回の数学授業を受講し学力を高める事になる。平均点は60-80点,3年周期で推移した。学生の得点は概ね7割以上であるが得点分布幅が大きい。また得点が6割以下の学生が約25%であり12年間で変化はなかったことから,クラス分けは概ね妥当であると思われる。令和3年度大学共通テストから入試問題傾向が変更になった。入試問題傾向と数学学力テストの関連について検討してみた。数学学力テストの結果は令和3年度以前と以降の成績とでは有意差は無かった。
Creators :
Kinoshita Makoto
Fujiwara Isamu
Yanagihara Hiroshi
Yanagishita Masahiro
Publishers : 山口大学教育・学生支援機構
Journal of higher education Volume 20
pp. 44 - 53
published_at 2023-03
コロナ禍で入試広報に大きな変化があった。本稿では入学時調査をもとにコロナ禍前とコロナ禍での進路選択の状況や進路選択におけるコロナの影響と入試広報への接触状況を明らかにする。進路決定時期に志願者が進路選択に迷った時には,大学から発した情報や身近な人からの情報が非常に重要である。入試広報は,大学から発信する情報をいかにして周知するかが課題である。
Journal of higher education Volume 20
pp. 30 - 43
published_at 2023-03
近年,初等中等教育(特に高等学校教育)において急激かつ大規模にSTEAM教育の導入・普及が制度的にはかられている。高等教育におけるSTEAM教育の導入も揺籃期ではあるが,喫緊の課題となっている。他方で,STEAM教育の導入にあたっては「何を・何のために・どうやって」教育するのかをめぐって(特に「A」の位置づけをめぐって)混乱が生じている。このような状況下で,改めて「STEAM」の概念を問い直し,既存のSTEMに最後に加わったA が他の4 つと同格・同次元の存在ではなく,他の4つに目的を付与する存在であることを明らかにするとともに,高等教育でSTEAM教育を普及させるための方途を探る。方向性としては, カリキュラムの構成原理として、従来のdiscipline basedにproblem basedないしproblem orientedの要素を付加するとともに,最終目標をコンピテンシーの獲得に置くことが考えられる。
Journal of higher education Volume 20
pp. 20 - 29
published_at 2023-03
本研究では,在日留学生を対象に「目上の人との接し方」および「外国人に不慣れな日本人との接し方」に焦点を当てたソーシャルスキル学習を試み,その効果を検証した。その結果,ロールプレイを用いた練習により,行動レパートリーの拡充と日本人との交流意欲の高まりがみられた。スキル学習から1ヶ月後のフォローアップ調査では,学習したスキルの現実場面での実践や文化学習への動機づけの向上が確認できた。異文化適応支援としてのソーシャルスキル学習の効果が示唆された。
Journal of higher education Volume 20
pp. 11 - 19
published_at 2023-03
障害等のある学生への情報保障として音声認識技術の活用が進んでいる。音声認識技術を有効活用するためには誤変換の対応が重要となる。同時に授業等の情報は音声のみではないことから、他の資料などの情報を的確に組み合わせることで授業情報の理解度は向上するはずである。
本稿では、情報の提示の仕方と理解度の相関関係を確認するためにアンケート形式の検証を実施した。アンケート調査結果と音声認識結果とを組み合わせて分析を行ったところ、情報量と理解度は比例する傾向にはあるものの絶対ではなく、正確な情報を適切な方法で提示する必要性が明らかとなった。加えて、有効な情報提示は、誤認識を補正するためにも有効であると指摘できる。
Journal of higher education Volume 20
pp. 1 - 10
published_at 2023-03
DXは様々な分野に広がり,その人材育成が大学教育に求められている。DX人材とIT 人材との違いを明確にすることを目的とし,DX の理解ポイントを示した。ここで強調したのは,DX人材が特に身に着けるべきなのはデジタルの知識ではなく社会人基礎力ということである。企業におけるDX事業例を調査し,その調査結果の分類より,DX人材育成教育における事例分析用の教材としてDX推進の段階を提案した。また目的達成のイメージであるDX像を描く方法とその作成のための教材シートを提案した。
Yamaguchi journal of economics, business administrations & laws Volume 71 Issue 5-6
pp. 371 - 401
published_at 2023-03-31
Yamaguchi journal of economics, business administrations & laws Volume 71 Issue 5-6
pp. 349 - 370
published_at 2023-03-31
Yamaguchi journal of economics, business administrations & laws Volume 71 Issue 5-6
pp. 319 - 347
published_at 2023-03-31
Yamaguchi journal of economics, business administrations & laws Volume 71 Issue 5-6
pp. 285 - 318
published_at 2023-03-31
The Kuomintang (KMT) initiated nuclear power generation in Taiwan in the 1970s, resulting in three nuclear power plants being built. The debate over building a fourth nuclear power plant became a controversy that divided Taiwan before it was decided by the Democratic Progressive Party (DPP) that all nuclear power plants, including existing ones, would be phased out by 2025. However, once nuclear power plant operations are terminated, developing alternative power sources and promoting energy conservation will become major issues. The Atomic Energy Council( AEC) is responsible for ensuring that Taiwan Power Company( Taipower) is compliant with the license conditions throughout the operating license period of the nuclear power plants. Furthermore, the AEC has earned public trust by fulfilling its responsibilities. Taiwan is currently promoting the conversion from nuclear to renewable energy and energy conservation measures with the end of nuclear power plant operations. This study outlines the political process involved in abolishing nuclear power plants and the plans for alternative power sources and energy conservation after nuclear power plants have been shut down.
Yamaguchi journal of economics, business administrations & laws Volume 71 Issue 5-6
pp. 267 - 283
published_at 2023-03-31
During the COVID time, international students could not enter Japan easily. Until March 2022, regulation and deregulation for degree course students often changed in Japan. Like tourists, furthermore, non-degree shorter student mobility opened later. For exchange, research, and other short course students, they needed to wait until October 2022 to come to Japan.
Yamaguchi journal of economics, business administrations & laws Volume 71 Issue 5-6
pp. 245 - 265
published_at 2023-03-31
Yamaguchi journal of economics, business administrations & laws Volume 71 Issue 5-6
pp. 215 - 243
published_at 2023-03-31
Yamaguchi journal of economics, business administrations & laws Volume 71 Issue 5-6
pp. 199 - 214
published_at 2023-03-31
Medical Science & Innovation Volume 70 Issue 1-2
pp. 7 - 17
published_at 2023-06
To investigate whether dantrolene (DAN), cardiac ryanodine receptor (RyR2) stabilizer, improves impaired diastolic function in an early pressure-overloaded hypertrophied heart, pressure-overload hypertrophy was induced by transverse aortic constriction (TAC) in mice. Wild-type (WT) mice were divided into four groups: sham-operated mice (Sham), sham-operated mice treated with DAN (DAN+Sham), TAC mice (TAC), and TAC mice treated with DAN (DAN+TAC). The mice were then followed up for 2 weeks. Left ventricular (LV) hypertrophy was induced in TAC, but not DAN+TAC mice, 2 weeks after TAC. There were no differences in LV fractional shortening among the four groups. Catheter tip micromanometer showed that the time constant of LV pressure decay, an index of diastolic function, was significantly prolonged in TAC but not in DAN+TAC mice. Diastolic function was significantly impaired in TAC, but not in DAN+TAC mice as determined by cell shortening and Ca^{2+} transients. An increase in diastolic Ca^{2+} leakage and a decrease in calmodulin (CaM) binding affinity to RyR2 were observed in TAC mice, while diastolic Ca^{2+} leakage improved in DAN+TAC mice. Thus, DAN prevented the progression of hypertrophy and improved the impairment of LV relaxation by inhibiting diastolic Ca^{2+} leakage through RyR2 and the dissociation of CaM from RyR2.
Creators :
Chang Yaowei
Kobayashi Shigeki
Yano Yasutake
Uchida Tomoyuki
Nawata Junya
Fujii Shohei
Nakamura Yoshihide
Suetomi Takeshi
Uchinoumi Hitoshi
Oda Tetsuro
Yamamoto Takeshi
Yano Masafumi
Publishers : Yamaguchi University School of Medicine
Medical Science & Innovation Volume 70 Issue 1-2
pp. 1 - 6
published_at 2023-06
Catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia (CPVT) is caused by a single point mutation in the cardiac type 2 ryanodine receptor (RyR2). Using knock-in mouse (KI) model (R2474S/+), we previously reported that a single point mutation within the RyR2 sensitized the channel to agonists, primarily mediated by defective inter-domain interaction within the RyR2 and subsequent dissociation of calmodulin (CaM) from the RyR2. Here, we examined whether CPVT can be genetically rescued by enhancing the binding affinity of CaM to the RyR2. We first determined whether there was a possible amino-acid substitution within the CaM-binding domain in the RyR2 (3584-3603) that can enhance its binding affinity to CaM, and found that V3599K substitution showed the highest binding affinity of CaM to CaM-binding domain. Hence, we generated a heterozygous KI mouse model (V3599K/+) with a single amino acid substitution in the CaM-binding domain of the RyR2, and crossbred it with the heterozygous CPVT –associated R2474S/+ KI mouse to obtain a double heterozygous R2474S/V3599K KI mouse model. The CPVT phenotypes, bidirectional or polymorphic ventricular tachycardia, were inhibited in the R2474S/V3599K mice. Thus, enhancement of the CaM binding affinity of the RyR2 is essential to prevent CPVT-associated arrhythmogenesis.
Creators :
Nakamura Yoshihide
Yamamoto Takeshi
Kobayashi Shigeki
Yano Masafumi
Publishers : Yamaguchi University School of Medicine
Journal of East Asian studies Volume 21
pp. 153 - 168
published_at 2023-03-01
1907年のイギリスのスタインをはじめ、列強各国の探検隊が次々と敦煌を訪れた。敦煌文物の発見・流出に伴い、「敦煌学」「西域熱」が誕生し、学界の関心を集めてきた。仏教出身の武田泰淳も長い間にわたってスタインの著作(Ruins of Desert Cathay、Serindiaなど)を含む敦煌資料を耽読し、その分野に進出してみた。本論は武田と敦煌との関係を切口として、日本近代文学館に所蔵されている「武田泰淳コレクション」の中の未発表資料を参考にして、武田文学における唯一の敦煌題材小説「流沙」の典拠資料を整理し武田の英語力を確認した上で、典拠と小説との比較を行い、「節ごと」、「人物ごと」、「全体」という三つの方面から武田泰淳の言う「換骨奪胎」の方法(典拠の利用法)を分析した。
Creators :
Sun Sen
Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 21
pp. 169 - 179
published_at 2023-03-01
Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 21
pp. 125 - 151
published_at 2023-03-01
人口減少社会の到来により,特に地方において,適正規模での学校運営が難しい過小規模や極小規模の学校が増加傾向にある.このような小規模校では,きめ細やかな指導等が行える一方で,人間関係が固定化しがちであったり,多様な意見や考え方に触れることが少なくなったり等,教育上の課題を抱えている.その解決策の1つとして,複数校の児童生徒が1つの学校に集まって合同授業が実施されているが,時間的・金銭的な問題などから実施回数が制限されるケースが多い.この合同授業を補う形で,日進月歩の勢いで進歩しているICT技術を活用した遠隔合同授業の取組みが期待され,教育実践が進められてきている.そこで本研究では,小規模校・少人数学級における遠隔合同授業を対象にして,学習者の学習活動と教員の教授活動を支援するための遠隔合同授業支援環境を研究開発する.具体的には,学校のネットワークの問題や,対面遠隔の学習者を見とりながら遠隔合同授業を進める教員の負荷を踏まえて,ビデオコミュニケーション機能や遠隔合同授業をシームレスに支援する授業支援機能を有した「つながる授業アプリ」をアジャイル型開発手法によって実装した.さらに,「つながる授業アプリ」の操作・機能評価を行って修正事項を整理して,改善を行った事項について報告する.
Creators :
Yokoyama Makoto
Takaoka Ryo
Nakahara Akihiro
Yoshinaga Ryota
Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 21
pp. 109 - 123
published_at 2023-03-01
本研究では、日中一時支援事業所において、クライアントの支援等について悩みを抱え、離職の意向をも示していたコンサルティに対して行動コンサルテーションを実施した。研究開始前のコンサルティは、自身の業務や支援に関して否定的な発言が多く見受けられ、支援に対する自信を失っている状態であった。特に帰宅準備行動に滞りの見られたクライアントへの支援に頭を悩ませていた。また、離職意向も示していたことから、支援遂行自体に嫌悪感を伴っているとも考えられ、少しでも不安や負担感を感じてしまった場合は、支援実施自体を忌避してしまう可能性があった。そこでコンサルタントは、面接回数を最小限としたり、クライアントの行動記録を敢えて実施しない等、コンサルティが負担感を抱かないよう配慮を行った。加えて、「傾聴」と「共感」、そして「肯定」を念頭に置いた言動を徹底して心掛けつつ、コンサルティとの面接を行い、①スケジュール表を作成し、実施した項目に「○」をする、②帰宅準備行動が出来たらほめる、以上の2点の支援を提案した。また、コンサルティとの小面接を4回実施し、コンサルティの支援実施に対して肯定的なフィードバックを積極的に行った。さらにコンサルティの上司に対しては、小報告会において、コンサルティの支援実施に対して肯定的なフィードバックをするよう依頼した。その結果、コンサルティはクライアントへの支援を実施、継続することができ、これに伴ってクライアントのスムーズな帰宅準備行動が生起するようになった。またコンサルティから自身の業務や支援に対して非常に肯定的な発言が連発するようになった。さらに、離職の意向を取り消すまでに至る等、行動コンサルテーションがクライアントの行動上の課題解決のみならず、コンサルティのバーンアウト傾向の軽減、離職防止にも効果がある可能性が示された。
Creators :
Ueda Takahiro
Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 21
pp. 75 - 108
published_at 2023-03-01
Structural transformation matters for economic growth and economic development of one country. Industrialization plays a crucial role as its engine. However, it is fact that some countries succeeded in it while others did not. When we compare the ratio of manufacturing value-added to GDP( MVA/GDP) between the successful and failed or stagnant countries, variations of those trajectories are observed. Even among the latter countries, their patters are not uniform. This paper is very keen to the pattern of failures and stagnation of industrialization such as India, Ghana, and Egypt, in which the ratio of MVA/GDP went down, followed by economic, social and political crisis and long stagnation was resulted from in the subsequent periods. It is hypothesized that that pattern has a close relationship with ambitious industrialization vision embarked on by the state leaders and policy makers in a manner which did not meet the reality of the manufacturing sector. Against that hypothesis, to what extent can the existing literatures give us persuasive interpretation? To examine it, this paper will review those one arguing the causes and mechanism of failed and stagnant industrialization and finally reach an argument of the industrialization vision as a possible candidate.
Creators :
Amatsu Kuniaki
Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 21
pp. 51 - 74
published_at 2023-03-01
日本語のスピーチレベルシフトについての研究は盛んに行われてきたといえるが、それらに用いられたデータは友人か初対面かのような親・疎関係の会話や教室における教師と学生の会話、あるいは、前もってセリフが書かれた脚本のものなど、特定の条件を設定した会話からのものが多い。また、接触場面の場合には、取り上げられた対象は留学生に止まり、技能実習生に関するものは管見の及ぶ限り見当たらない。そこで、本稿は技能実習生を対象とし、実習実施機関で生じた自然会話に注目した。具体的には、指示が多く、かつ危険性を伴う鉄骨工場をフィールドとし、技能実習生に向けられた日本人同僚の発話に注目した。
その結果、1)朝礼、会議、送別会は丁寧体を基調としているのに対し、作業現場の発話場面は普通体を基調としている。2)先行研究ではまだ言及されていないが、本研究では、丁寧体基調場面におけるダウンシフトとして、「強い口ぶりで、念を押す時」、「職業規則を明示する時」、普通体基調場面におけるアップシフトとして、「実例を挙げる時」、「相手に同意・共感を示す時」、「1つの作業が終了時の合図」、「説明を諦める時」にもスピーチレベルシフトが観察された。3)機能は、構造標識、談話標識、待遇標識と心的距離の伸縮の4つに分類できる。さらに、4)スピーチレベルシフトには一回性のものと連続性のものがあり、場面によって現れ方が異なっていることが判明した。
Creators :
Zhang Xuepan
Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 21
pp. 23 - 49
published_at 2023-03-01
「深い学び」を展開している子どもの姿を具体化せずには、本質的な授業改善には向かいにくい。本研究では、これまでの総合的な学習の時間(以降、「総合」と表記)を巡る議論や近年の学習論の知見をふまえ、「総合」で目指す「深い学び」の特質を整理し、その定義付けを行った。とりわけ、教育心理学や教育学において1970年代から注目されてきた「ディープラーニング」の概念と文部科学省が考える「深い学び」の比較を通して、「ディープラーニング」と「総合」は、どちらも真正の課題と子どもが向き合い、それらの課題解決に関与することで、自己肯定感や自己有能感を得ていくという類似性を有していることが明らかになった。また、「総合」において重要視されてきた「レスポンシビリティ」の概念は、「総合」の学びのあり方と関連付けて学術的に検討されてきていないため、「レスポンシビリティ」と「深い学び」の関係をとらえていった。そうする中で、「総合」で具現化する子どもの姿を現す鍵となる概念には、「自分ごと」「折り合い」「手応え」も付加されることを導出した。加えて、今後より予測困難で不確実、複雑で曖昧な時代になると予測される中で求められる資質・能力を検討し、改めて「レスポンシビリティ」の重要性を位置付けるとともに、他者の存在や「協働」が「深い学び」の成立条件となることを導出した。さらに、「総合」の先行実践において、「レスポンシビリティ」を果たす子どもの育成を目指していくために、「協働的な学び」を通して、どのような子どもの姿にたどり着くことをねらい、一単位時間の授業が行われてきたのかについて検討した。その検討を通して、「総合」における「協働的な学び」は、「概念」と「方略」の高度化を目指して設定され、「概念の高度化」は「対象や課題に対する概念」「自分や自分のあり方に対する概念」の高度化、「方略の高度化」は「対象や課題の本質への迫り方」「対象(人)や仲間との向き合い方」の高度化に分けられることが明らかになった。
Creators :
Fujikami Mayumi
Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 21
pp. 1 - 21
published_at 2023-03-01
中国では、経済成長に伴って、エネルギー消費も大幅に増加してきた。資源型地域はエネルギーの主要供給地として、中国の工業の支えといっても過言ではないと考えられる。しかし、資源開発により、資源枯渇や産業構造の偏りや経済不況などの問題が出ている。2013年に公表した「全国資源型都市持続可能発展計画(2013-2020年)」では、経済、民生、エネルギー及び環境において、それぞれの支援政策を打ち出した。経済面では、産業構造の多様性、産業高度化、産業クラスター化を通じて、経済成長と産業構造転換を求めた。
本研究では、この支援政策の経済面に着目して、山西省を研究事例として取り上げ、政策効果を実証的に分析した。具体的に、2つの仮説を設定した。第一は、支援政策が経済成長を促進できることである。第二は、支援政策が産業高度化を促進できることである。PSM-DIDという研究手法を用い、山西省の資源型都市と全国の非資源都市に共変量を加えて、マッチングした。そして、マッチング後のデータで、政策効果と共変量の影響効果を検証した。その結果、支援政策は山西省の経済成長を促進できることを証明した。また、産業高度化にも正の効果が出ている。さらに、工業化と環境汚染はトレードオフの関係があることにより、重工業に比べて、環境にやさしい第三次産業を発展させることがより良い効果を生むことが示唆された。もう一つは、政府財政支出が正の効果で、さらに、非資源型都市と資源型都市の差が縮小するのは重要なことから、政府の役割を無視できないことがわかった。
Creators :
Tong Zhihui
Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Yamaguchi daigaku bungakukaishi Volume 73
pp. 39 - 77
published_at 2023-03-20
Creators :
Sarashina Shinichi
Yamaguchi daigaku bungakukaishi Volume 73
pp. 23 - 38
published_at 2023-03-20
Creators :
Hayashi Shinichi
Yamaguchi daigaku bungakukaishi Volume 73
pp. 1 - 22
published_at 2023-03-20
Creators :
Kuwahata Yoichiro
Yamaguchi daigaku bungakukaishi Volume 73
pp. 1 - 23
published_at 2023-03-20
Creators :
根ヶ山 徹
The philosophical studies of Yamaguchi University Volume 30
pp. 77 - 130
published_at 2023-03-23
The philosophical studies of Yamaguchi University Volume 30
pp. 65 - 76
published_at 2023-03-23
In this paper I will consider <rétrospectivité> as a positive element of the Bergsonian notion of <durée>.
Around 1930 Henri Bergson borrows from Vladimir Jankélévitch a concept of <illusion de rétrospectivité>, which means a lack of understanding about <durée>. However, his usage of the concept seems not to be true to Jankélévitch’s, in that he regards <rétrospectivité> as a positive element of <durée>.
In my opinion, Bergson’s infidelity to Jankélévitch, so to speak, is based on his interest in <histoire>, as far as the mysticism is concerned, which bears fruit in The Two Sources of Morality and Religion (1932). As regards this, Maurice Merleau-Ponty, who criticizes Bergson for his misunderstanding <histoire>, provides an important clue.
The philosophical studies of Yamaguchi University Volume 30
pp. 47 - 63
published_at 2023-03-23
Noe-Meinongian theories admit nonexistent objects and are generally friendly to abstract objetcts like Plato's Forms. There are several different neo-Meinongian theories, and one of them is the semantic theory of G. Priest, known as “noneism”. Is it possible to interprete Plato's theory of Forms on noneism?
Forms are supposed to have three characteristics about predication: predicatecorrespondence, self-predication and predicate-purity. In noneism, worlds are divided into possible, impossible, and open worlds, the first two being closed worlds and the actual world a possible world. In closed worlds, predication is incompatible with predicate-purity. For example, if something is F, it must also be F or G, so more than one predicates must apply to it. Further, predicate-purity fails in any possible world: more than one predicates apply to anything whatsoever. Moreover, in possible worlds, if Forms have predicate-correspondence, self-predication is unavoidable for some of them.
Things are quite different in an open world. Since open worlds are not closed under entailment, we can hold that e.g., the Form of whiteness is white and is nothing else there: it is not true that it is colored or even that it exists; the only thing that exists in an open world is the Form of existence. We also seem to be albe to admit the Forms of a golden mountain, an exisising golden mountain, something both white and not white, etc., each Form safely having the three characteristics.
This is, however, an illusion. When a matrix contains more than one free variables, infinitely many one-place predicates can be obtained from it by substitution. If they all correspond to a unique Form, it can be shown that even in an open world infinitely many predicates must apply to the same Form. Thus the predicate-purity fails. One
possible responce is to modify the denotation function so that it allocates extensions not to matrices but directly to predicates, but it comes at a cost.
The philosophical studies of Yamaguchi University Volume 30
pp. 17 - 46
published_at 2023-03-23
本稿の目的は『今昔物語集』天竺部における釈迦仏入滅の理解を解明することにある。はじめに巻第三第二十八話~第三十五話の入滅関連諸説話、および巻第四「仏後」巻の諸説話の内容を概観する(第一節)。そのうえで、二つの観点から入滅の理解を検討する。第一の観点は、釈迦仏の最後の言葉である(第二節)。『今昔物語集』天竺部仏伝はいわゆる「釈迦八相」を踏まえて構成され、とりわけ話数の多い第七「転法輪相」以外は、『過去現在因果経』をはじめとする『釈迦譜』所引の諸経典に依拠することが確かめられている。巻第三入滅関連説話も基本的に『釈迦譜』所引『大般涅槃経』等に拠るが、入滅の瞬間を語る一話は『大悲経』を原拠とする何らかの国書に拠ると推定される。弟子一同に「不放逸」の教えを説く釈迦仏ではなく、一子羅睺羅への哀愍を諸仏に祈る釈迦仏を語ることにより、『今昔物語集』は、釈迦仏一代の教化活動を貫く慈悲の本質、すなわち、しばしば「一子の悲」という語句で表現されるところの慈悲と恩愛との一体性を示したといえる。第二の観点は、入滅後の釈迦仏の身体・力能である(第三節)。現生を生きる一人のひとであった釈迦仏の“生身”が滅び去り、とくに実母など、多生にわたり仏と親密な交わりを結んだ仏の親族において、釈迦仏の存在の一回性、代替不能性が痛切に意識された。他方、滅後も仏の慈悲に与ることを切望する人々は、釈迦仏の霊魂の不滅を信じ、その依り代となりうるもの、あるいは“生身”を超えて存続する新たな身体を想定した。仏舎利や影像がその新たな身体、不滅の霊魂の依り代であり、"生身"の有した"個"としての具体性を弱める反面、時空による制約から解放され、遠隔の地にも拡散・伝播し、未来仏出世の時まで力能を顕現し続けると期待された。何らかの方途を通じて釈迦仏を供養し、一つのささやかな善をなした衆生は、無数の後生の間、絶えず釈迦仏の加護を受け続け、ついに究極的安楽に到達しうる。この世界内の衆生には釈迦仏滅後もその慈悲が及び続けているのであり、末法の世、本朝に生まれた人々も例外でないことを『今昔物語集』天竺部は示唆していると考えられる。
The philosophical studies of Yamaguchi University Volume 30
pp. 1 - 15
published_at 2023-03-23
Thomas Aquinas uses the term “mode” (modus) in various contexts, and some remarkable usages are found in his discussions on virtues. Aquinas places virtues other than the four cardinal virtues in the “potential parts” of the cardinal virtues, for instance, placing generosity (liberalitas) as a potential part of justice. Although the potential parts of a cardinal virtue are not species of the cardinal virtue, they have close connections with it. In order to explain these connections, Aquinas says that the potential parts of a cardinal virtue agree with the cardinal virtue in mode. He also claims that the mode of a virtue is, as it were, a sort of a form of the virtue, whence the virtue derives its praise and its name (ST II-II, q. 157, a. 3). In this claim, we find metaphysical, ethical, and semantic aspects of modes.
In this article, we first examine Aquinas’s usages of “modes of virtues” in order to see these aspects of modes. We conclude that “mode” means “a limit which is not to be exceeded” and “a way.”
Next, we move on to the metaphysical aspect. Aquinas has elaborate discussions on “modes,” interpreting Augustine’s triad of “mode-species-order,” the three elements which Augustine claims to be in every good created being. We will analyse three major texts in which Aquinas treats the triad as three essential components of every good creature: ST I, q. 5, a. 5, De veritate, q. 21, a. 6, and ST II-I, q. 85, a. 4. By analyzing and connecting Aquinas’s different statements about modes, we clarify what modes are and how they are related to being (esse) and forms in Aquinas’s metaphysical system.
Finally, we consider the semantic aspect, building on the preceding analyses. Since “mode” is a word that can connote perfection as well as limitation, it is possible to state that God is a mode. Since the mode is a higher principle than the form, which determines the genus and species, the mode can be a foundation of analogical predication,
in which the same word is applied to things of different genera and beyond (i.e., God).
The philosophical studies of Yamaguchi University Volume 30
published_at 2023-03-23
Publishers : 山口大学哲学研究会
Yamaguchi Daigaku dokufutsu bungaku Volume 44
pp. 53 - 73
published_at 2022-12-25
Creators :
Shimosaki Masatoshi
Yamaguchi Daigaku dokufutsu bungaku Volume 44
pp. 39 - 51
published_at 2022-12-25
Creators :
Takemoto Masashi
Yamaguchi Daigaku dokufutsu bungaku Volume 44
pp. 25 - 37
published_at 2022-12-25
Creators :
De Boissieu Michel
Yamaguchi Daigaku dokufutsu bungaku Volume 44
pp. 1 - 24
published_at 2022-12-25
Creators :
Hintereder-Emde Franz
Yamaguchi Daigaku dokufutsu bungaku Volume 44
published_at 2022-12-25
Creators :
Hintereder-Emde Franz
Yamaguchi University Archaeological Museum report Volume 17
pp. 35 - 72
published_at 2023-03-31
Yamaguchi University Archaeological Museum report Volume 17
pp. 13 - 34
published_at 2023-03-31
Yamaguchi University Archaeological Museum report Volume 17
pp. 9 - 12
published_at 2023-03-31
Yamaguchi University Archaeological Museum report Volume 17
pp. 5 - 8
published_at 2023-03-31
Yamaguchi University Archaeological Museum report Volume 17
pp. 2 - 4
published_at 2023-03-31
Yamaguchi University Archaeological Museum report Volume 17
pp. 1 - 1
published_at 2023-03-29
Yamaguchi University Archaeological Museum report Volume 17
published_at 2023-03-31
Publishers : Yamaguchi University Archaeological Museum
Journal of cross-cultural studies Volume 17
pp. 93 - 104
published_at 2023-03-31
Journal of cross-cultural studies Volume 17
pp. 71 - 84
published_at 2023-03-31
本研究では、男性顔の時代変化とそのメカニズムを明らかにするために、日本を代表する美男子コンテストである「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」のBEST30通過者の顔写真を題材として検討を行った。まず、1988年から2021年までのBEST30通過者を4つの時期ごとに分けて、それぞれの時期の美男子平均顔を作成した。次に、大学生を対象者としたアンケート調査において、ランダムに並び替えた4種類の美男子平均顔について、①印象評価と②恋愛相手・結婚相手としての魅力度を測定した。そしてさらに、美男子平均顔に対する魅力度の違い(選り好み)を説明するための変数として、対象者の③結婚観・子ども観など配偶戦略について尋ねた。
このようなアンケート調査を行った結果、①最新の美男子平均顔ほど、より「穏やか」で「女性的」、「ひ弱」と評価される傾向があり、美男子平均顔の「脱男性化」が主観的印象ではなく、客観的事実であることが確認された。そして、②最も「穏やか」な最新の美男子平均顔に対して、半数以上の女子学生が恋人・結婚相手としての魅力を感じており、その割合は男子学生の予想を大きく上回っていた。さらに、③このような女子学生の選り好みは、結婚相手の経済力を重視しない姿勢や子どもへの従順性の期待、ブレイン・フォグ頻度の低さなどとも関連していた。
これらの知見にもとづけば、美男子平均顔にみられる「脱男性化」の傾向は、女性の選り好みを反映しており、女性の選り好みは、恋愛や結婚、子育てに関する配偶戦略の変化の影響を受けていると考えられる。ただし、先行研究によれば、男性顔の「脱男性化」は、先進諸国に広く見られるだけでなく、人類史全体を通じた一貫した傾向でもあると指摘されている。これらの指摘を前提とするならば、「脱男性化」した男性顔への選り好みは、時代変化を超えた頑健な傾向であり、人類の「自己家畜化」をもたらしている大きな要因の一つとも考えられる。
Journal of cross-cultural studies Volume 17
pp. 39 - 55
published_at 2023-03-31
Journal of cross-cultural studies Volume 17
pp. 21 - 37
published_at 2023-03-31
Journal of cross-cultural studies Volume 17
pp. 1 - 20
published_at 2023-03-31
Journal of cross-cultural studies Volume 16
pp. 59 - 90
published_at 2022-03-31
Creators :
Kakinuma Marie
Publishers : 山口大学人文学部異文化交流研究施設
Journal of cross-cultural studies Volume 16
pp. 43 - 57
published_at 2022-03-31
本稿は、スケートボードのハウトゥ動画の分析を通して、身体技法の教示と修得がどのようになされるのか分析し考察することを目的とするものである。
結果、第1に、手本の提示は教える側の権威の確認のためにもなされていること、第2に、修得に必要となる曖昧な概念を教示する際に、教える側と教わる側の概念のすり合わせがなされていること、第3に、技法の修得が近づいてきた場面では、教わる側から修得のための新概念が提示されそれが教える側によって承認されること、の3点が析出された。
身体技法が教示され修得されようとする際には、上記のような方策が用いられながら、修得という目標に向けて実践が積み重ねられていくことが、本稿からは見えてきた。当然のように行われている身体技法の教示と修得は、実は複雑なやり取りからなされており、そうした複雑さを埋め合わせるための方策が用いられながら成立していることが示唆された。
Journal of cross-cultural studies Volume 16
pp. 17 - 41
published_at 2022-03-31
Journal of cross-cultural studies Volume 16
pp. 1 - 16
published_at 2022-03-31
English and English-American literature Volume 57
pp. 39 - 53
published_at 2022-12-20
English and English-American literature Volume 57
pp. 19 - 37
published_at 2022-12-20
English and English-American literature Volume 57
pp. 1 - 18
published_at 2022-12-20
Journal of cross-cultural studies Volume 17
pp. 57 - 69
published_at 2023-03-31
Memoirs of the faculty of engineering, Yamaguchi university Volume 73 Issue 2
pp. 17 - 28
published_at 2023-03
Taxonomic classification of whole eukaryotes using conserved proteins or nucleotide sequences that are used as criteria looks convenient and easy. However, these methods may not be reliable to long evolutionary history if their function is developed or degenerated in their life history. The sequence-based classification methods depending on the functional conservation may cause unknown bias. In this study, we propose novel classification using intron positions in a gene, which are not related to function. Intron positions of highly conserved ribosomal protein RPS13 gene were selected as novel criteria for the classification of whole eukaryotes from lower unicellular amoeba, algae, and flagellates to plants and animals. RPS13 gene encodes 151 amino acids and possesses 453 bp exon sequence in many eukaryotic organisms. The intron positions are determined based on their coding exon sequences, in which all the introns are designated by the positions from the first nucleotide of the start codon and the position numbers are attached with ‘i’ for intron indication. For example, human RPS13 gene contains introns at the positions of 24i, 73i, 152i, 322i, and 423i sites on the coding sequence. Interestingly, all the Deuterostomia animals including starfish, leech, and octopus showed the same intron positions to human. Similarly, all the land plants showed 24i, 97i, 236i, and 423i positions. In lower unicellular eukaryotes, which showed nonintron or variety of positions, only amoeba Lenisia limosa has the intron position of 152i site and Chlorophyta Pedinophyceae sp. has single 97i position, suggesting that they may be the ancestral organisms of animals and plants, respectively. As a conclusion, intron positions of RPS13 gene can be used as a guide for the taxonomic classification of eukaryotic organisms
Creators :
Ebe Satoshi
Kunishige Haruna
Chajima Kengo
Nakamura Hitomi
Nakamura Yuki
Hayashi Chise
Hirakawa Haruka
Yamaji Keisuke
Hoshida Hisashi
赤田 倫治
Publishers : 山口大学工学部
Memoirs of the faculty of engineering, Yamaguchi university Volume 73 Issue 2
pp. 10 - 16
published_at 2023-03
This is the final part of the series of a case study on translation of a dubbed film from Japanese into English on a Cognitive Linguistics perspective. Focusing on Venuti' s (1995, 2013) domestication and foreignization in translation, Sadamitsu (2020) analyzed the gaps in language / culture and in time between the source and the target text of translation, and demonstrated that domesticated samples were found far more than foreignized ones in order to fill the gaps far more in language / culture than in time. Sadamitsu (2022) went on to conduct more precise analyses on how the translators have dealt with the gabs between the two languages by closely looking at their domesticating strategies for English readers/audience of the film. Specifically, their coping strategies of adding / deleting information of the source text were discussed there. And this paper will examine that of changing information of the source text, which was left untouched in the former papers, to conclude the research series. It will be also discussed here that translation activities are conducted under a powerful and invisible pressure which forces the translators to domesticate the contents more acceptable in the translated culture and society, apparently without noticing it.
Bulletin of Clinical Psychology Service Center, Graduate School of Education, Yamaguchi University Volume 13
pp. 3 - 18
published_at 2022
本論文は2022年9月10日に実施した,日本人間性心理学会第41回大会自主シンポジウムでの発表内容を加筆修正したものである。当日は押江が企画者および話題提供者を,上西と田中が話題提供者を,髙橋が指定討論者を務めた。これは,デジタルトランスフォーメーション(DX)時代における人間性心理学の位置づけや今後の課題を議論するものである。
Creators :
Oshie Takashi
Uenishi Hiroyuki
Tanaka Hideo
Takahashi Noriko
Publishers : 山口大学大学院教育学研究科附属臨床心理センター
Yamaguchi journal of economics, business administrations & laws Volume 71 Issue 3-4
pp. 147 - 162
published_at 2022-11-30
In the 2000s, English-Medium Instruction (EMI) in non-English countries developed worldwide. Japan is one of these countries and the number of English-based students who cannot utilize Japanese language increased. Some of the Japanese universities offer dormitories for international students, who can gradually get used to learning the Japanese way of life after they arrive in Japan. Some of the universities also offer cultural exchange programs for EMI students. However, due to the COVID-19, the situation has changed.
Creators :
Asamizu Munehiko
Seno Budhi Ajar
Xu Shaochen
Zhou Wenting
Publishers : The Economic Society of Yamaguchi University
Yamaguchi journal of economics, business administrations & laws Volume 71 Issue 3-4
pp. 131 - 146
published_at 2022-11-30
資産価格はしばしばファンダメンタル・バリューから乖離し,時として金融市場は資産価格の大きな下落や変動に見舞われる.急激な資産価格変動を緩和するための措置として,多くの国々で空売り規制が導入されてきた.本稿は空売り規制の導入が資産価格に与える影響を分析する.私的情報や価格支配力を持つ投資家と私的情報を持たない価格受容的な投資家が混在する資産市場を想定する.空売り規制の導入が事前に予期されていない場合,空売り規制が資産価格をファンダメンタル・バリューから乖離させることが明らかになった.これは資産価格の変動を大きくすることにもつながる.とりわけ資産価格の下支えが望まれるような下落相場の状況では,空売り規制の導入はより一層の価格下落をもたらすことになる.
Yamaguchi journal of economics, business administrations & laws Volume 71 Issue 3-4
pp. 113 - 130
published_at 2022-11-30
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 159 - 167
published_at 2023-03-15
Creators :
Kagohara Kyoko
Yamamoto Hajime
Matsubara Yukie
森下 徹
Sano Yukihito
Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 151 - 157
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 141 - 150
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 133 - 139
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 127 - 132
published_at 2023-03-15
Creators :
Okamura Yoshihisa
Miyamoto Kiyomi
Matsumura Daiki
Ogata Masayuki
Fujioka Naoki
Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 117 - 125
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 107 - 116
published_at 2023-03-15
Creators :
Sakamoto Tetsuhiko
Shizuya Satoru
Simokawa Masayuki
Tokinori Junichiro
Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 97 - 106
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 87 - 95
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 77 - 86
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 67 - 76
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 57 - 66
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 51 - 56
published_at 2023-03-15
Creators :
Kiya Hidekatsu
Iwao Fumi
Tanaka Ayami
Tsuchihashi Yuka
Iida Junko
Bunyu Keiko
Harada Naho
Matsuoka Asuka
FuJii Hiroko
Sakurai Rin
Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 43 - 49
published_at 2023-03-15
Creators :
Tanaka Ayami
Kiya Hidekatsu
Iwao Fumi
Matsuoka Katsuhiko
Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 33 - 41
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 27 - 32
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 19 - 25
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 11 - 18
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Integrated Center for Education Research and Training Volume 55
pp. 1 - 10
published_at 2023-03-15
Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72
pp. 327 - 332
published_at 2023-01-31
古代日本文学は中国文化の影響を多く受けている。しかし事物への概念や表現方法が必ずしも中国の影響かどうかは判別しにくいものもある。事物や表現が同様だからと言って影響関係にあるとは一概に言えないからである。そこで本稿では具体的に「雪」の概念や描き方を例にして、その関係を考えてみる。
「雪」が厳冬期の行路難渋や苦寒という意味では当然のことながら一致している。また影響関係は不明であるが、五穀豊穣の予祝的なものという認識は共通している。しかし『万葉集』では「遠い山に降るもの」という概念があり、神の存在する場所に降る神聖なものという認識がある一方で、中国では神仙的な彼岸と区分するという意味があって、ここが本質的に相違が見られる所である。
本稿では宴席を中心とした「雪」については考察していない。このことについては別稿で論じる。