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山口国文 Volume 46 pp. 25 - 35
published_at 2023-03-01
Creators : Ito Tatsuya Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 46 pp. 13 - 24
published_at 2023-03-01
Creators : Nakamoto Saori Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 46 pp. 1 - 11
published_at 2023-03-01
Creators : Teramoto Asahi Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
Yamaguchi University Archaeological Museum report Volume 18 pp. 124 - 127
published_at 2024-03-29
Creators : Yokoyama Shigeki Publishers : Yamaguchi University Archaeological Museum
Yamaguchi University Archaeological Museum report Volume 18 pp. 114 - 123
published_at 2024-03-29
Creators : Mizukubo Syoko Publishers : Yamaguchi University Archaeological Museum
Creators : (株)吉田生物研究所 Publishers : Yamaguchi University Archaeological Museum
Creators : Yokoyama Shigeki Publishers : Yamaguchi University Archaeological Museum
The fluctuation hypothesis (Ionin et al., 2004) holds that learners of English as a second or foreign language (ESL/EFL) will continue to make errors in their use of English articles until they switch their criteria for English article selection from specificity to definiteness. However, L1 language acquisition research indicates that young children who are L1 speakers use English articles accurately on the basis of whether the referent is specific or nonspecific before they acquire the definite–indefinite distinction. It is possible that Japanese EFL learners, like young L1 learners, can accurately use English articles employing the specific–non-specific distinction even before they master the definite–indefinite distinction. This study examined this hypothesis using Bickerton’s (1981) semantic wheel-based taxonomy and Díez- Bedmar and Papp’s (2008) tag-coding system. An analysis of 38 essays from the Nagoya Interlanguage Corpus of English Reborn showed that the specific– non-specific distinction can contribute to a highly accurate use of English articles for non-specific referents and relatively accurate article use for specific referents by Japanese EFL learners who have difficulty applying the definite– indefinite distinction. The pedagogical implications of the results were discussed.
Creators : Takahashi Toshiaki Publishers : Yamaguchi University
Native English scholarly writers use interactional metadiscourse markers in their research articles to indicate their stance and negotiate their claims with readers. Hedges are a type of interactional metadiscourse marker often used in scientific research articles to soften writers’ claims and protect themselves from criticism (Hyland, 2005a). When Japanese researchers write research articles in English, they tend to use fewer English hedges than native English writers. Although hedges are used in research articles written in Japanese, their usage appears to differ from that of English hedges. This study analyses the use of hedges in research articles by Japanese writers in both English and Japanese in comparison with English hedges employed by native English writers in order to reveal the differences in the use of hedges between the two languages. The analysis focuses not only on the discrepancies in usage between native English and Japanese writers, but also on the characteristics of hedges used in academic articles written in English and Japanese. Furthermore, this study investigates the impact of Japanese writers’ first language on their use of English hedges in articles written in English. A total of 30 published empirical research articles in soft science disciplines in English and Japanese were used for the quantitative and qualitative analyses of the use of hedges, revealing both the writing and linguistic differences between the two languages. Thus, this study aims to offer pedagogical suggestions for Japanese learners of English to use hedges more effectively in their research papers written in English.
Creators : Fujimura-Wilson Kayo Publishers : Yamaguchi University
In this paper I will consider <discontinuité> as a positive element of the Bergsonian notion of <durée>. Since his maiden book, Time and Free Will (1889), Henri Bergson (1859-1941) defines time as <durée>, which means uninterrupted continuity of the past, the present and the future. In opposition to Bergson, Gaston Bachelard (1884-1962), who begins to speculate on time in the 1930s, takes time to be essentially discontinuous. According to Bachelard, it is not continuous <durée> but discontinuous <instant> that does give birth to something new, and this is why he criticizes Bergson. In my opinion, however, at least in the 1930s, Bergson himself tries to reconsider <durée> not only to be continuous but also to be discontinuous.
Creators : Murakami Ryu Publishers : 山口大学哲学研究会
 本稿の目的は、釈迦仏出現を成り立たせた因果について、『今昔物語集』天竺部仏伝が示す理解の実態を明らかにすることにある。釈迦仏の背負う因果として、一つには、元来衆生であった存在が仏となった所以に対する問いが、もう一つには、釈迦仏という個別的存在者がまさにそのような個別的存在者であった所以に対する問いが、追究されていると考えられる。  はじめに巻第五「仏前」巻に収められる諸説話についてその内容を概観する(第一節)。その上で、まず釈迦仏の本生譚を明示的本生譚と非明示的本生譚に分け、それぞれの内容の特徴を確認する。前者については、布施の修行ならびに捨身の重視という傾向を、後者については、一介の衆生として世俗にうずもれ過ごした前生をそのまま──釈迦仏の前生と明かすことなく──提示しようとする傾向を確認することができる。次いで、修行の中でもとくに重視される捨身の布施(身施)の意味について、釈迦仏が自らと他者との多生にわたる関係性を語った他巻所収説話も手がかりに考える。布施において前生の釈迦仏は、衆生といったん出会い、かりそめの救済をもたらしつつ、成道後の再会・教化・根源的救済を誓う。畜生など知に乏しい衆生を相手に確実に縁を結ぶための手立てとして布施が選ばれたと考えられる。一切衆生を現実に救済しうる釈迦仏の力能は、ひとりひとりの衆生とそのつど直接的に出会い、縁を結んだ布施行の集積により根拠づけられる(第二節)。個別的存在者としての釈迦仏の所以をめぐる問いについては、『今昔物語集』天竺部仏伝が現生の釈迦仏を語る際、釈迦仏とその親族との関係性をたびたび主題化している点に着目する。親族の中でもとくに父母との関係性をめぐっては、父母への孝養のために前生の釈迦仏が捨身の布施を行ずる本生譚があり、釈迦仏とその父母との相互に恩愛深い関係性が前生以来のものであることを示している。他方、妻との関係性をめぐっては、現生の夫婦生活における妻の不満とその原因を羅睺羅出家譚が窺わせているが、本生譚においても、釈迦仏が世俗の生活者であった前生に、自らの至らなさゆえに妻を恨ませたことが語られ、現生の不仲には前生以来の因もからむことが明かされる。釈迦仏が背負う因果への問いを通じて『今昔物語集』天竺部仏伝は、優れた人ではあったが決して完全無欠ではなく、私たちにも近しい"一人のひと"であった釈迦仏のありようを語っている(第三節)。
Creators : Kashiwaki Yasuko Publishers : 山口大学哲学研究会
 五經の一つである『尚書』を,秦の焚書坑儒による亡佚の危機から救ったのが,もとの秦の博士である伏生である。その伏生の墓が,山東省鄒平市の韓店鎭と魏橋鎭の二箇所に殘されている。筆者は,昨夏その二箇所の伏生の墓を訪問する機會を得た。その際に,韓店鎭と魏橋鎭の二箇所の伏生墓の現況について調査を行った。韓店鎭と魏橋鎭はそれぞれ,舊鄒平縣と舊齊東縣に屬しており,訪問調査の結果と合わせて,歴代の『鄒平縣志』および『齊東縣志』に記載されている伏生墓に關する記述を確認すると,舊鄒平縣である韓店鎭の伏生墓は元代まで,舊齊東縣に屬する魏橋鎭の伏生墓は淸代までその存在を確實に遡れることがわかり,ほんとうの伏生墓がどちらであるのかについて議論が存在していることがわかった。  そこで,傳世文獻に記載される兩墓についての議論の跡をたどり,歴代の學者たちによってどのような考證が行われ,それに基づきどのような議論が行われてきたかについて,その論點について整理を行なった。その整理の結果,『水經注』『太平寰宇記』『齊乘』などの諸書に記述される伏生墓と河川との位置關係が,鄒平伏生墓(韓店鎭)と河川との位置關係と異なることが問題とされていた。つまり諸書に記される,漯水が東朝陽縣の南から東に向かい伏生墓の南を流れ,さらに東に流れて鄒平縣の北を流れる場所に位置するということを,鄒平伏生墓(韓店鎭)が滿たしていないということが最大の論點であった。一方,齊東伏生墓(魏橋鎭)については,位置關係については齟齬がないが,その發見の過程において,證據となる碑が古いものではなく僞造であるとの疑いの存することがわかった。その碑は現在所在がわからないが,その記述される特徴からいわゆる北碑の流れに屬する碑であると考えることができそうである。 これらのことを合わせて考えると,どちらかを眞墓と認定する必要があるのであれば,齊東伏生墓(魏橋鎭)のほうが有力であり,鄒平伏生墓(韓店鎭)は伏生の故鄕に作られた衣冠墓であると考えることが穩當であろう。ただし,どちらも秦火から『尚書』を救い後世に傳えた大人物である伏生の功業を傳えるものであり,文化的價値は全く變わるものではない。
Creators : Ito Yumi Publishers : 山口大学哲学研究会
 山本常朝は『葉隠』おいて、「奉公之至極之忠節」は「主ニ諫言して国家を治る事」である、と述べた。奉公人の主君に対する究極の「忠節」は、なぜ「諫言」だったのか。常朝が求めた「諫言」のあるべきあり方に着眼することにより、『葉隠』における忠誠の倫理の内実に迫ることが、本稿の目的である。  常朝の説く理想の諫言は、第三者に主君の欠点を知らせないための「潜(ひそか)」なものであるべきだったと同時に、当の主君にもそれが「諫言」であると顕わに意識させない、「和の道、熟談」によるべきものだった。そこには、主君のありようを是非ともその本来的な姿へと導き正す、という強い目的意識に貫かれながらも、それを凌駕するほどの信念をもって、様々な欠点を抜きがたく抱えた現前の主君にどこまでも「御味方」しようとする姿勢が、認められる。他方、これに対置されるのは、諫言の客観的妥当性を憚らずに振りかざすことで、結果的には主君の悪名とひきかえに我が身の「忠節」ぶりを示すことにしかならない、広い意味における「理詰」の諫言である。そこにひそむ、現前の主君を置き去りにした我意や慢心を、常朝は深く嫌悪した。  つまるところ、諫言において示されるべき奉公人の究極的な忠誠には、徹底した自己否定・自己消却の姿勢が求められた。それは、当の働きかけを結果的にあえなく咎められ、切腹という形で命ぜられる、肉体的な「死」に対する覚悟としても、貫かれたものだと言える。ところが『葉隠』には、一見してそれとは鋭く矛盾する、鍋島という無二の「御家」「国家」を己れ一人で支えるのだという「大高慢」を、奉公の根底に求める教えもあった。  「奉公之至極之忠節」たる諫言において、両者はいかにして接合されたのか。これは『葉隠』に即して、また同時代の諸思想との比較や連関において、今後も追究されるべき課題である。なぜならそれは最終的に、自分にとってかけがえないこの他者に対する真の忠誠、あるいは誠実さがどうあるべきかという、人としての倫理を衝く問いに、連なっていくはずの探究だからである。
Creators : Kurihara Go Publishers : 山口大学哲学研究会
Creators : Yokoyama Shigeki Publishers : Yamaguchi University Archaeological Museum
山口国文 Volume 47 pp. 107 - 109
published_at 2024-03-01
Creators : 徳永 光展 Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 47 pp. 106 - 91
published_at 2024-03-01
Creators : Hayashi Shinichi Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 47 pp. 79 - 90
published_at 2024-03-01
Creators : Ono Yoshinori Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 47 pp. 69 - 78
published_at 2024-03-01
Creators : 紀 実歩 Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 47 pp. 55 - 67
published_at 2024-03-01
Creators : Yasumoto Mayumi Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 47 pp. 35 - 53
published_at 2024-03-01
Creators : 柚木 靖史 Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 47 pp. 19 - 33
published_at 2024-03-01
Creators : 勘解由小路 承子 Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 47 pp. 15 - 17
published_at 2024-03-01
Creators : Ono Yoshinori Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 47 pp. 14 - 15
published_at 2024-03-01
Creators : 田中(石井) 敦子 Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 47 pp. 12 - 14
published_at 2024-03-01
Creators : 二階堂 整 Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 47 pp. 11 - 12
published_at 2024-03-01
Creators : 樫原 葉子 Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 47 pp. 9 - 11
published_at 2024-03-01
Creators : 岩野 訓子 Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
山口国文 Volume 47 pp. 3 - 8
published_at 2024-03-01
Publishers : 山口大学人文学部国語国文学会
Journal of East Asian studies Volume 22 pp. 127 - 156
published_at 2024-03-01
生活ゴミ分別制度を進めるには、市民個々の行動が鍵となり、その行動を促す要因を理解しなければならない。分別行動の規定因に関する研究の多くは態度─行動意図─行動という心理的プロセスの観点と経済学に基づく観点から行われてきたが、本研究では分別行動を態度や行動意図などの内的要因の影響が弱い行動と捉え、規範喚起理論、広瀬モデル、「態度-行動-文脈」理論に基づいて、分別行動の規定因に関する仮説モデルを構築した。このモデルを検証するために、上海市の市民へのオンラインアンケート調査を実施し、この結果得た1000人分の回答をもとに分析を行った。なお、このアンケート調査の事前に行った現地調査と5人の市民へのインタビューにより、調査票の内容と妥当性を確認した。 分析には因子分析、共分散構造分析、カイニ乗検定を用い、分別行動に影響を与える規定因を特定した。その結果、「個人規範」(ゴミを分別すべきとの個人の態度)、「分別行動に伴うコスト評価」(分別にかかる手間やコストに対する評価)が分別行動に最も影響を与えていることが分かった。そして、「個人規範」はごみ問題に関するリスク認知や責任帰属認知、そしてごみ分別の有効性認知によって形成されることを明らかにした。さらに、外的要因とした「政策執行評価」(分別政策執行の厳格性)は「生活ゴミ問題の認知」、「個人規範」、分別行動を取るために必要な知識や技能などの有無についての「実行可能性評価」、そして「分別行動」に対して有意な影響を持つことが示された。最後に、人口統計学的要因として、年齢、収入、学歴、居住年数、居住地域といった個人属性が分別行動へ影響することが確認された。 また、こうした結果に基づいて、分別への参加率を高めるために、オンラインショッピングサイトと連携してゴミ問題に関する知識の情報を提供する等、具体的な提案を行った。
Creators : Wang Zhangbo Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 22 pp. 111 - 125
published_at 2024-03-01
本研究では修験道における明治期の製薬について、求菩提山・英彦山の事例から検討する。求菩提山では現在までに錦袋不老円など、14種類の薬が確認されている。錦袋不老円は江戸期の資料である『山鹿郡宿控帳』(1819年)に記されておりその使用が確認できるが、他の薬は記載されていない。加えて現存する薬袋・版木等の資料のほとんどが明治初期のものである。一方、『売薬並講社日誌簿』から、1889年(明治22)まで製薬・売薬を行っていたことを確認できるものの、その後、製薬・売薬は急速に衰退・消滅する。 明治初期、政府は近代化を目指し各種法令を出すが、それは製薬・売薬についても例外ではない。これら法令が薬自体や製法に与えた影響・変化は小さくないと考えられる。製薬・売薬に関わる法令の中で、本稿では特に1877年(明治10)に出された売薬規則に注目する。この法令では、売薬に関わる者を売薬営業者・請売者・売子の3つに分け、製薬については売薬営業者しか行えなくなることが定められた。しかし売子が売薬営業者に宛てて提出した誓約書とみられる「内和条約書」からは売子も製薬の知識を持ち、かつ製薬をしていたことがうかがえる。売子自身が製薬するという事例は、近世の仕方をそのまま踏襲したものだった可能性があるものの、法令に反した製薬が行われていたものと推察される。 このように、法令に反してまで製薬・売薬を行ったメリットはどれほどあったのか。求菩提山にはこれらで得た利益を記した資料がないため、やや時代は下るものの地理的に近く、求菩提山と同じく天台系の修験の山であった英彦山の資料を用いて検討した。英彦山松養坊には彦山疵薬を1912年(明治45)から1926年(大正15)まで製薬していた記録が残っている。さらに同坊所有の『大正三年家計簿』を検討すると、同坊では他にも収入があったことが判明した。それらと比較すると、製薬・売薬で得られる収入は少なく、生業として不十分であったと指摘することができる。
Creators : Sagara Etsuko Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 22 pp. 87 - 109
published_at 2024-03-01
本稿は,日本語の二者自然会話における共同的発話現象の一つである「引き継ぎ」現象に焦点を当てている。引き継ぎ現象は,話者Aが開始した発話が,話者Bの発話によって統語的に継続される言語現象である。本稿では,単文レベルを対象に,様々なパターンの会話データを挙げるとともに,引き継ぎの生起と話者交替場所に現れる挿入要素との関係を究明した。その結果,挿入要素が特定の順序で現れ,その生起位置に対称性が存在することが明らかになった。また,この挿入要素の対称性が,引き継ぎ現象を起こしやすくしている要因となっていることも示唆した。
Creators : Nguyen Thi Ha Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 22 pp. 69 - 85
published_at 2024-03-01
関羽は三国時代の蜀の武将であり、勇武忠義の名で歴史に残っている。そして、儒・仏・道の三教から崇拝され、中国で最も広く知られている神だと言っても過言ではない。一方、中国民衆に重要視されている関羽の人物像は、近世日本に伝えられ、近世の文化と融合し、再生された。本稿は近世の関羽像が成立する基礎として、中世の知識人層である禅僧に目を向けた。中世禅僧の代表的な作品『五山文学全集』を中心に、中世禅林における武将と伽藍神としての関羽像の受容を分析した。
Creators : Wang Ziyu Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 22 pp. 47 - 68
published_at 2024-03-01
外国人児童は、日本社会と異なる言語、文化、宗教及び習慣を持つため、日本での日常生活や学校生活において相当な制限を受けることがある。このように制限されることは、外国人児童にとって「社会的障壁」となっている。教育分野では、合理的配慮は障害のある子どもに対する特別支援教育で使われてきた言葉である。しかし、合理的配慮は、身体的・精神的障害だけではなく、文化的・習慣的な違いによって生じる社会的障壁にも使える概念であると本研究では考え、小学校に在籍する外国人児童の分野にも「合理的配慮」の論議を援用できると考えた。 本論文では、まず、公立小学校で、外国人児童が排除される経験の事例、暴力を振るわれた事例、誤解が生じた際の事例などを分析する。次に、分析結果及び合理的配慮の考え方を踏まえて、学校現場で有効と考えられる教員の対応策について考察を行う。その結果、①合理的配慮という論議を援用することで、これまでの「教師の裁量に任せる」という状態から、より個々の外国人児童に対応するアプローチの重要性について明らかにし、②外国人児童に対して合理的配慮を提供することには、不均衡な状況を是正し、公正な環境を促進できることを示し、③外国人児童に対する「合理的配慮」には、限界があることの確認ができた。異なる文化背景を持つ児童に対して、包容的なアプローチを取ることが教育の質を向上させる鍵である。
Creators : Zhao Shujuan Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 22 pp. 35 - 46
published_at 2024-03-01
東洋医学の診察は,四診(望診,聞診,問診および切診)と呼ばれる4種類の診察法で構成されている.この中で望診は,患者の顔色,表情,皮膚,爪,頭髪,舌などを注意深く観察する診察法であるが,これらのうちでも舌を見る舌診が特に重要とされている.舌診とは,舌の色・乾燥度・舌の苔(舌苔)などを診ることにより,五臓六腑の状態を診断する手法である.本研究では,東洋医学の舌診に基づき,人工知能技術を活用して,舌表面状態の画像識別による裂紋舌の自動診断法を提案する.裂紋舌は舌の肉部分(舌質)の表面が割れている状態にある舌であり,体が虚している病理状態(運動不足や栄養不足)を示している.また,裂紋舌の亀裂にはその深さと位置によって症状の度合いと病気のある臓器が異なる.なお,亀裂が深ければ深いほど,より深刻な酷い症状を示し,浅い亀裂はより軽い症状を示している.本研究で提案する診断法は,まず与えられた画像から人工知能の画像認識技術の一種であるMask R-CNN手法を用いて舌の部分を認識・抽出する.次に,抽出した画像を裂紋舌画像と非裂紋舌画像の2種類に分類する.最後に,裂紋舌画像から症状の度合いを診断する.本論文では,まず深層学習を用いた裂紋舌の自動診断の処理手順について説明する.次に,5つの画像認識モデル(LeNet,ResNet50,ResNet101,DenseNet169,ConvNeXt-Tiny)を用いて,裂紋舌の自動認識学習と裂紋舌の裂紋状態判定学習に対する画像分類の精度を調べ,これらのモデルに関する評価を行う.さらに,各々の学習で判定する正解率を高めるために,5つの画像認識モデルを融合するアンサンブル学習を行う.実験結果より,アンサンブル学習は5つの個別の画像認識モデルによる学習の正解率よりも優れており,どれも85%以上に達している.これらの結果から,本研究で活用した5つの画像認識モデルによるアンサンブル学習は裂紋舌の自動診断に効果的である.
Creators : An Zhenyu Wu Ren Nakata Mitsuru Katsu Kii Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Journal of East Asian studies Volume 22 pp. 1 - 34
published_at 2024-03-01
This study examines the factors that affect fintech adoption in microfinance institutions (MFIs) in Laos. We developed a theoretical model by extending the Technology Acceptance Model (TAM) with perceived risk, government support, and regulation. To collect data, we formulated a questionnaire and surveyed a randomly selected sample of managing directors from MFIs, resulting in 74 responses. Subsequently, we conducted an empirical analysis to assess the reliability and validity of the model in predicting MFIs’ intentions to adopt fintech. We utilized Structured Equation Modeling (SEM) to test the proposed hypotheses. The results provide useful insights for practitioners in implementing strategies to promote influential factors while addressing and overcoming inhibiting factors in fintech adoption. This study contributes to the existing literature by developing and verifying the effectiveness of the extended TAM for investigating fintech adoption.
Creators : Phongsounthone Somesanook Publishers : The graduate school of east asian studies, Yamaguchi university
Creators : Okamura Yoshihisa Fujita Chizuru Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Creators : Fukuda Takamasa Yang Shiwei Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Creators : Ishii Yuri Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Creators : Kamiyama Sachika Uwamori Kazuhiko Yosihara Noriyuki Saiki Hideto Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Creators : Kamiyama Sachika Uwamori Kazuhiko Yosihara Noriyuki Saiki Hideto Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Creators : Yamada Yasue Kiya Hidekatsu Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Creators : Tanaka Ayami Iwao Fumi Kato Kohei Bunyu Keiko Harada Naho Matsuo Rika Sakurai Rin Kawakami Chihiro Kiya Hidekatsu Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Creators : Kitamoto Takuya Ito Masataka Publishers : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター
Online education has strongly developed during the COVID-19 pandemic. While public schools in Japan were off to a slow start, China became a pioneer in online education under the policy of "classes stop but learning continues." On the other hand, this drastic educational reform was painful, although the situation was better than in Japan. In this paper, we present both relevant literature and local examples in order to consider from various perspectives.
Creators : Asamizu Munehiko Mai Jiarui Zhou Xiaofei Publishers : The Economic Society of Yamaguchi University
For Chinese people, study abroad is an important matter. During the COVID-19 pandemic, many countries implemented travel regulation policies. Except for the early part of 2020, however, long term residents, including international students, were allowed to enter Japan. Despite the COVID pandemic, some of the degree program students entered Japan from abroad. In addition, as soon as the international travel regulations ended, a huge number of non-degree students including kenkyusei( research students) and language program students rushed to Japan.
Creators : Asamizu Munehiko Publishers : The Economic Society of Yamaguchi University
In IS-LM model, it seems difficult to intuitively understand the concept of money market. Therefore, in this paper we present a simple economic model that explains the determination of loan interest rates, deposit interest rates, and government bond yields without using the concept of a money market.
Creators : Umada Tetsuji Publishers : The Economic Society of Yamaguchi University
本稿は、低学年「生活」教科書をもとに、台湾における環境教育カリキュラムの構造を明らかにしようとしたものである。環境問題は、一国にとざされたものではなく、地球的課題としてどのように向き合うのかという「グローバル教育」の地平線にたって実践的可能性を模索しなければならない。しかしながら、小学校低学年の場合、冒頭からグローバルな空間認識のもとで実践を展開させていくことは難しい。ここで有効となり得るのが国際的な比較研究であり、台湾は日本と同じく低学年に「生活」があることから、「生活」教科書にあるプラスチックごみの削減を題材とした単元を取りあげ分析することで、比較カリキュラム論として国際的な参照軸から実践的可能性の展望を見出すことができる。
Creators : Yamashita Daiki Shojima Akiko Tsuchiya Takeshi Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
温泉水には様々なイオンが含まれており、温泉地によって成分や含有量が異なっている。それらには当然金属イオンも存在しており、温泉地によってその金属イオンの種類や含有量が異なっている。したがって、この温泉水を草木染の媒染に役立つ可能性があり、温泉水の種類(温泉地)によって異なった色味を出せることが期待される。そこで本実験では、山口県内の10か所の温泉水を利用して草木染を行い、その色味の変化をみた。結果は期待していたほどの色味変化はなく、ほぼ草木の色素そのものに近い色であった。これは、他県に比して山口県は温泉地が多いが、その主成分はナトリウムやカルシウムで、それ以外の成分はごく微量であること、ナトリウムイオン、カルシウムイオンは今回使用した色素に対して、それほど色味変化を伴わないためと考えられる。
Creators : Hoshino Hiroshi Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
特別支援学校中学部に在籍する自閉スペクトラム症のある生徒に対して、自発的なハイタッチ行動の形成とその効果を検証することを目的とした。特定の活動終了直後に目の前に五指を開いた手が差し出されることでハイタッチ行動が生じていた生徒に対し、①「イエイ」や「ヤッター」などの音声言語、②研究実施者が差し出す手の位置、③研究実施者が差し出す手のひらの形(「グー」か「パー」)の3つのプロンプト組み合わせて段階的に提示したところ、これらのプロンプトがなくても特定の課題終了後に自発的にハイタッチ行動を生起するようになり、それが別の場面にも般化した。自閉スペクトラム症の生徒に対してハイタッチ行動のような非言語コミュニケーション行動を形成するための手段について考察した。
Creators : Ono Takafumi Suto Kunihiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究では、特別支援学校に在籍する知的障害のある中学部生徒に対し、美術科の段階を基にした実態把握を行い、段階に応じた目標設定と指導内容を選定した上で「振り返りシート(生徒用)」を作成・活用した美術科授業実践を行った。授業の中で定期的に振り返りながら、表現及び鑑賞の活動に取り組むことで、表したいイメージがどのように変容したのか、記入文字数や発表場面での発語数と共に質的内容について分析した。「振り返りシート(教員用)」も作成・活用することで、教員の評価も授業改善や指導・支援に生かすことをめざした。 その結果、実態の異なる生徒それぞれが「振り返りシート」に提示された問いを視点に、造形的な見方・考え方を働かせながら、表したいイメージを具体化させ、学びを深めていく姿を確認することができた。このことから、「振り返りシート」が断片的になりがちな知的障害のある生徒の思考まとめることに有効に機能したことが推測された。
Creators : Nishimura Emi Kitamura Takuya Suto Kunihiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
「Well-beingにつながる学び」を意識して実施された小・中学校の社会科の授業を授業者・研究者で相互に考察した結果、社会科で蓄積されてゆく「思考・判断」の内実が明らかになってきた。それは、「個別的部分的」なことと「一般的全体的」なことを相互に関係付け、前者から後者への一方通行にならず、一般化への動きに抗して個別の固有性をとらえてゆく思考、「時間軸」を立て、社会の動きを長期的・短期的と多層的にとらえてゆく思考、社会の動きに対して「決定論」「人為論」の両極に寄らず、「可能論」の視座でとらえてゆく思考、の3点である。この3点は今日の社会科授業やカリキュラムのあり方に大きな意味をもち、この観点からの授業やカリキュラムが開発されてゆく必要がある。
Creators : Yoshikawa Yukio Chijimatsu Tetsuhiro Yoshioka Tomoko Ikeda Kanta Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究では、第6学年の国語の「海の命」において「なぜ、太一はクエ(瀬の主)にもりを打たなかったことを生涯だれにも話さなかったのだろうか」について話し合う授業を実践し、「授業者と児童の発話の記録」、また、「児童の考えとその考えを支持する児童の人数」を小学校の教員(授業者,参観者,不参観者)に示して知らせ、その解釈について知見を得た。前者を解釈した教員の記述には、授業の反省点、授業の改善点、授業展開の妙、話し合いの妙、児童の発話に関する見取りが示されていた。後者を解釈した教員の記述には、児童が支持する考えの増減をもとにした見取りが示されていた。
Creators : Saiki Hideto Fujimoto Moeka IKENAGA Ayumi Isobe Hiroaki Ono Masahiro Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究では、第6学年の国語の「海の命」において「なぜ、太一はクエ(瀬の主)にもりを打たなかったのだろうか」について話し合う授業を実践し、「授業者と児童の発話の記録」、また、「児童の考えとその考えを支持する児童の人数」を小学校の教員(授業者,参観者,不参観者)に示して知らせ、その解釈について知見を得た。前者を解釈した教員の記述には、授業の反省点、授業の改善点、児童の発話に関する見取り、授業展開の妙が示されていた。後者を解釈した教員の記述には、児童が支持する考えの増減をもとにした見取りが示され、また、授業の改善点、推察した児童の考えが示されていた。
Creators : Saiki Hideto Fujimoto Moeka IKENAGA Ayumi Isobe Hiroaki Ono Masahiro Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
品詞をどう特定するかは議論のあるところである。基本的な文法を学ぶ際、この単語は名詞、これは動詞と、単語に貼り付けられた特徴のように教えられるし、そうした品詞分類は言語現象を理解するには有効である。しかし、実は、品詞を決定する基準は必ずしも明白ではない。辞書での記述も一つの語に複数の品詞が示されていることは多い。英語の歴史的背景からいえば、形態的特徴、統語的特徴いずれからも捉えることができ、複雑である。ただ、実際の使用においては、言語使用者は、英語の歴史とは関係なく、自分の知識の範囲で自分の知っている語彙を駆使するのである。その点で、品詞転換という現象は、言語使用者の創造的な活動という捉え方もできる。本稿は、主に共時的観点から、小説の言語にみられる品詞転換の現象を記述し、それがどのような文体的効果をもたらすかを明らかにする。一語レベルにとどまらず、句や節が文中で果たす役割も含めて分析を試みるものである。
Creators : Matsutani Midori Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Creators : Horike Yoshitsugu Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
Creators : Horike Yoshitsugu Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
第1として、重度・重複障害等を有する生徒の衣生活に関する意識調査を行った。その結果、生徒は自分の着る服を自身で選ぶことは少なく、保護者が選んだ服を受動的に着ていることが明らかになった。第2として、生徒の衣生活への関心を高めさせることを目的に、文化祭にてファッションショーを実施した。事後アンケートから、出演した生徒は着装を人に褒められることから自己有用感を高め、また観客となった生徒や保護者、教員には衣服指導への理解が高まったことが示された。第3として、シミュレーションソフトを用いて衣服の色やコーディネートを画面上で生徒が選び、意見を述べ合う学習指導を行ったところ、色彩や組み合わせの知識が豊かになることで、衣服を主体的に選択しようとする意欲が高まった。これらから、生徒の余暇や卒業後の衣生活を念頭に置き、衣服の選び方、着装の知識を指導していくことが生徒のQOL(生活の質)を向上させると推察された。
Creators : Yamamoto Reiko Matsuda Nobuo Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
イザベラ・バード(1831~1904)はイギリスの探検家で、明治11年東京を起点に日光から新潟へ抜け、日本海側から北海道に至る北日本を旅した。その旅が記したものが「日本における人跡未踏の道」という回想録である。本論文では、「日本における人跡未踏の道」を分析することで、バードの日本旅食生活を明らかにした。
Creators : Senneck Andrew Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究は、保育者が子どもの育ちや保育の過程を言語化して他の保育者と共有し、「子どもにとってどうか」という視点から保育を検討するために、どのような園内研修に取り組むとよいか検討した。保育園のクラス主担任保育者を参加者とした園内研修に取り組んだ結果、以下の内容が効果的であった。1.「子どもの主体的な遊び」をテーマとし、同じ参加者で継続的に取り組む、2.日々の保育をもとに書いたエピソード記録を取り上げる、3.エピソード記録を書いた保育者の問題意識をふまえた話し合いをする、4.SOAPの視点や「具体化を促す問い」を意識して取り組む、5.園内研修後に毎回ポートフォリオ記録を書く。園内研修に参加した保育者間で共有したことを、同じクラスの担任保育者とも共有するための方法の検討が、今後の課題となった。
Creators : Nakashima Hisako Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本稿は、陳軫の「蛇足故事」及び「管与の説」「卞荘子が虎を殺した話」という三つの故事がそれぞれ「戦国故事」においては寓話として機能していることを確認したうえで、陳軫の「管与の説」「卞荘子が虎を殺した話」と同じ「強者同士が闘い合うと、ともに疲弊して第三者の餌食になる」という筋立てをもつ寓話や比喩の使用例が説客の弁論中に複数見られることなどから、説客が用いたこれらの秀逸な比喩表現には、合従・連衡の外交戦略をめぐる弁論が盛んに行われた戦国中期の時代性の刻印が認められることを述べる。さらに、戦国中期の説客の「揣摩」の術(君主の本心を推し当てながら、君主を奮起させる弁論術)の核心は名声と実利の両面を同時に満足する計略を提案するところにあり、弁論中での比喩表現の使用は君主が計略を聞いて納得するための下地を作る意味があったことを述べる。最後に、以上の考察にもとづいて、故事成語の由来と意味を研究する際の留意点を述べる。
Creators : Nambu Hidehiko Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究の目的は、書字に困難を抱える特別支援学校小学部に在籍する児童を対象に、書字の代替としてフリック入力の指導を行い、その効果を検討することであった。対象児は、特別支援学校小学部に在籍する知的障害を伴う広汎性発達障害のある5年生児童1名であった。個別学習の時間に、ポケットモンスターの名前や特徴について説明する図鑑を手書きで作成する課題とタブレット端末を用いてフリック入力で作成する課題を設定し、指導を行った。その結果、フリック入力により文字数と漢字の字数が手書きに比べて増加した。また、予測変換の使用回数も増えていった。さらに、対象児に対するインタビュー調査から、対象児にとってフリック入力は負担が少なく、書字の代替手段として妥当な方法であったことが示された。
Creators : Tomiyama Mei Yoshida Nanako Miyaki Hideo Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
本研究の目的は、知的障害を伴う広汎性発達障害のある児童に対し、話を振る行動の遂行を目指した指導を行い、その効果を検討することであった。特別支援学校小学部に在籍する知的障害を伴う広汎性発達障害のある5年生児童1名を対象に、個別学習の時間を活用して指導を行った。介入1では話を振る行動を促す視覚プロンプトとしてボールを用いて指導を行い、介入2ではボールの使用に加えて会話終了後に対象児が自発した話を振る行動の生起回数と内容を学級担任がフィードバックした。その結果、介入2において対象児の話を振る行動の生起回数が安定した。また、ボールを撤去したり、会話相手を変更したりしても生起回数は維持された。さらに、対象児の話す行動の最大持続時間についても大幅に短縮された。指導後に行った対象児および学級担任への調査の結果、本研究の社会的妥当性も概ね示された。
Creators : Yoshida Nanako Miyaki Hideo Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
学ぶのは働くためであり、働くのは、生き残り、よりよく生きる(幸福)のためである、というのがこの問いに対する一般的な回答である。しかし老いが深まり、死を前にすることでますます顕わになって来るのが「何のために生きるのか?」という問いである。同様にグローバルな規模で我々を駆り立てる得体の知れないシステムに酷使されつつ働く者にとっても「何のために働くのか?」という問いが顕在化しつつある。「働く意味」が不明瞭になれば、「学ぶ意味」も不明瞭になっていく。こうした傾向は今後ますます深刻なものになるだろう。それは人間が抱える意味と無意味の矛盾が歴史を通じて顕わになっていくということである。この矛盾が宗教・芸術・哲学の要求の源泉である。人間が本性的に矛盾を抱えるものである以上、こうした要求は誰においても前提できるが、同時に人間は本性的にこうした矛盾から目を逸らし、日常生活に埋没する。こうした状況にあって人間が生きるのも働くのも自分がその身に生まれた「人間」を学ぶためであるとして、宗教・芸術・哲学を根幹に置いた生涯学習の可能性に言及した。
Creators : Sano Yukihito Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University
学校の理科の授業において、児童生徒の自然科学の概念や法則の認識の過程を追求し明らかにすることは重要である。特に、児童生徒の科学的概念形成を考えた理科の授業においては、児童生徒の学習課題や実験を考える上で大切な観点である。しかし、児童生徒の科学的概念形成を具体的な学習課題や実験と関連づけて明らかにした事例は少ない。実際は理科の教師の経験や感性に頼ってしまっている。そこで、科学的概念形成の授業を考えるのに有効な新しい授業戦略を考えた。理科の授業において科学的概念形成を明らかにしようとした3つの試み、「「到達目標」による授業」(玉田泰太郎)、「「のぼり・おり」理論」(酒井寛)、「ルーレッグ方式」(細谷純)をもとに新しく『概念形成図』を考えた。そして、科学的概念形成の理科の授業の授業戦略として『概念形成図』が活用できるか考察した。
Creators : 栗田 克弘 Publishers : Faculty of Education, Yamaguchi University