1)ヒキガエルの膀胱に対しては交感、副交感両神経ともに排尿筋の相性収縮を惹起する。しかし、交感神経には多少の抑制作用がみられ、これは両神経同時反復興奮の場合に特に強く現れるものと推測し得る。 2)ヒキガエル膀胱の反復間接刺戟の実験では、その頻度一反応曲線は1秒20回までの頻度ではacetylcholineによる膀胱の濃度一作用曲線と大体一致する。それ以上の高頻度では、収縮高は却って低くなり、1秒100回以上の坐骨神経刺戟の場合には全く収縮を認めず、時として刺戟切断後に相性収縮が惹起する例がみられる。 3)acetylcholineのヒキガエル膀胱に対する濃度一作用曲線はClarkのいう直角双曲線を描く。 4)ヒキガエル膀胱を支配する副交感神経筋前線維(B-線維)のlatent additionは10msecに及ぶ。