家兎頸動脈及び犬の頸、股動脈の血流につき、Acetylcholine, Histamine等の末梢血管拡張性物質の動脈内注射及び下肢加温時の血流流速脈波を電磁流速計を用いて記録観察して次の結果を得た。 1.局所の末梢血管拡張により、流速脈波のearly diastolic dipは浅くなり、一般に各波の振巾は小となり、DVE成分の減少を来す。 2.拡張が甚しいか、薬物の作用が全身の流床に及んで血圧がかなり低下する時期には、その波型は圧脈波の波型に近く、股動脈に於ても頸動脈の波型に類似して来る。 3.血管緊張が増大して血圧が回復しはじめると、平均血流量はまだ正常水準に復帰しなくとも血管収縮性物質投与時と同様に振巾の増大、DVE成分の増強が見られる。 そこで之等の結果と血管収縮性物質投与時の成績とから、更に流速脈波型と末梢流床の弾性的性状との関聯について論じた。