我々は2002年4月から2009年1月までに初回同種移植を施行した,急性骨髄性白血病(40症例),ハイリスク骨髄異形成症候群(10症例)計50症例について,移植前・移植時予後因子を検討するために後方視的解析を行った.平均年齢は41.4歳.32%が移植時非寛解期であり,また44%が染色体リスク分類において予後不良群であった.3年の全生存率,無進行生存率,再発率,移植関連死亡率はそれぞれ48.8%,41.3%,38.9%,27.8%であった.移植前・移植時因子の予後に与える影響を単変量・多変量解析で検討し,染色体リスクが最も重要な因子として同定された.さらに,染色体リスクで層別化し解析を加えたところ,染色体リスクによって,移植前処置の強度および移植片対宿主病の対応を変更する,層別化治療の検討が必要と考えられる結果を得たので報告する.