山口医学

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山口医学 Volume 56 Issue 2
published_at 2007-04-30

A case of primary adenocarcinoma of the duodenum

原発性十二指腸癌の1例
Uesugi Naomasa
Saito Satoshi
Nakamura Takashi
Tanzan Katsura
Takeshige Motohiro
fulltext
1.14 MB
B030056000203.pdf
Descriptions
今回われわれは,比較的まれな原発性十二指腸癌の1手術例を経験したので報告する.症例は80歳,女性.検診目的で上部消化管内視鏡検査を施行したところ,十二指腸球部前壁に2型の腫瘍を認めた.原発性十二指腸癌と診断し,膝頭十二指腸切除術を施行した.治癒切除が得られたが術後9か月目に肝転移再発を認め,肝動脈塞栓術,肝動注化学療法を施行した.術後13か月目に肝転移巣の増大のため死亡した.原発性十二指腸癌は比較的まれな疾患であるが,上部消化管内視鏡検査の普及とともにその報告例は増加している.十二指腸癌の治療法にいまだ確立されたものはない.リンパ節郭清も含めた外科的切除による局所のコントロールが予後向上に寄与すると考えられた.本症例は治癒切除が得られたが,遠隔転移再発を認めた.進行癌症例に関しては,他の癌と同様に術後補助療法の必要性が示唆された.
Creator Keywords
原発性十二指腸癌
進行癌
Rights
本文データは山口大学医学会の許諾に基づきCiNiiから複製したものである