間隙水のpHが粘性土のコンシステンシー限界に及ぼす影響を明らかにするために,12種類の土試料を用い,硫酸,塩酸および水酸化ナトリウム水溶液によって,それらのpHを変化させた土試料について液・塑性限界試験を行った。その結果,pHとコンシステンシー限界の関係には。2つのタイプがあることが分かった。一つは,黒磯スメクタイトのように,pHの増加とともにコンシステンシー限界も増加するタイプである。もう一つは,今市カオリナイトのように,コンシステンシー限界が初期のpH(以後,(pH)_Iと称す)で最大になり,pHの増加または減少に従い,それらが減少するタイプである。両者の違いは粘土鉱物の違いとpHの変化によって生じる土粒子の凝集・分散現象によって説明することができる。