RF窒素プラズマ励起種を用いた分子線エピタキシー法により,サファイア(0001)面基板上へGaNエピタキシャル成長を行い,成長条件の最適化を試みた。最適化されたGaN薄膜の4.2Kにおけるフォトルミネッセンス測定では,3.471eV (357.1nm)の位置に発光半値幅4.8meVの鋭い励起子系発光が観測された。この発光線の温度依存性の測定を行ったところ,励起子の局在状態から非局在状態への遷移が150K付近で観測された。また,室温(290K)においても強い自由励起子発光が観測された。一方,温度上昇に伴う発光半値幅の広がりを,励起子-LOフォノン散乱と,励起子-音響フォノン散乱過程を考慮して解析した結果,励起子-LOフォノン結合定数は約300meVと導出され, 他の半導体材料と比較して非常に大きいことがわかった。