従来の研究では, 薄明視の比視感度関数が経験式により計算され, 実データと経験式との不一致の問題が存在している。本研究では, 我々は心理的な明るさ知覚に基づいて, 暗所視, 薄明視および明所視の領域を考慮した等価比視感度関数を提案している。このような等価比視感度関数を解析するため, 我々は4層ニューラルネットワークを構築する。構築されたニューラルネットワークは1つの入力層, 2つの中間層および1つの出力層の3つの部分によって構成される。心理学実験より得られた比視感度関数のデータを教師信号として, バックプロパゲーション法によってニューラルネットワークを学習させる。学習後のニューラルネットワークの中間層における内部表現について検討した。2個の中間層ユニットの出力には暗所視の寄与率関数と明所視の寄与率関数とに対応するものが得られており, これらは入力光の強度の変化に伴って非線形的に変化する。ニューラルネットワークの出力の解析より本ネットワークモデルの汎化性が高いことは確認された。すなわち, 本研究によって提案された等価比視感度関数モデルは暗所視, 薄明視および明所視の領域において汎用性が高いものであると考えられる。
equivalent luminous-efficiency function
neural network model
photopic vision
scotopic vision
mesopic vision
brightness photometry system