[緒言] : 小学校学習指導要領の平成14年の施行にあたり、各学校では「総合的な学習の時間」の中で「外国語」や「情報教育」、「自然体験的活動」等、さまざまな教材開発や授業研究が行われている。その教材開発の中でも、最近は、子どもたちの体験の少なさが叫ばれていることから、「自然体験活動」は非常に大きな注目を集めている。 とくに、植物の栽培を用いた「自然体験的活動」は子どもが実際に土に触り、自分の目で植物の成長を観察でき、収穫し食わすことの出来るなど子どもが肌で感じることが可能である。 しかしながら、現在、各小学校で「生活科」や「総合的な学習の時間」に行われている「自然体験的活動」は、栽培のごく一部だけを子どもたちに体験させるにとどまっており、その他の大部分の作業を教師や地域の方々などの大人の手で行われているといえる。現在の状況では、子どもたちは植物の栽培は比較的容易であり、十分な実践を行わずとも、収穫は達成できるなどと思いを抱いてしまう可能性がある。 そこで、本研究では、子どもたちが、十分に自然体験活動を行えるような植物の栽培に関わる「自然体験的活動」の教材開発を検討した。具体的には、教材の事例調査を行うとともに、学校現場で実施可能な教材開発を検討した。また、この栽培の教材が、他の教科とどのような関連があるかについても研究した。