緒言 : プレイセラピー(以下、PTと略す)では、しばしば「一緒に遊んでいて、いつの間にか子供が変わった」という印象をもたれるように、PTが展開されるとき、そこに生じる「セラピー」の効果による来談児の変化が、言語的コミュニケーションを中心とする面接と比べて理解しにくいと指摘されることが多い。こうした問題について山崎(1995)は、 PTが重要な治療技法であることを認めつつ、その理論の明確化が今後の課題であることを指摘している。 そこで、今回の報告では、PTがもつ「セラピー」としての意味づけを、「遊び」がもつ機能の再検討と「治療的変化を促す要因」の検討を中心として明確化することを試みる。