中枢神経では血液脳関門(Blood-brain barrier, BBB), 末梢神経では血液神経関門(Blood-nerve barrier, BNB)が神経系の内外を隔てるバリアーの実体であるが, 現在ではBBB, BNBは物質交換を妨げる単なる壁ではなく, 現在では神経系に対する物質透過を選択する能動的なシステムであると考えられている.臨床的な立場からは, BBB, BNBは炎症細胞や各種液性因子が神経実質内へと侵入する際の窓口であると共に, 難治性神経疾患治療薬が神経細胞・神経軸索へと到達するのを阻む最大の障壁ともとらえることが可能で, BBB, BNBの人為的な操作は各種神経疾患の新たな治療法開発へ新たな地平線を開くものである.
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