術前診断された魚骨穿通による腹腔内膿瘍を経験した.症例は38歳男性.下腹部痛をきたし,近医より当院を紹介受診した.腹部腫瘤を認めCTおよびMRI検査で魚骨を含む腹腔内膿瘍と診断され手術を行われた.術中魚骨による大網に囲まれた膿瘍を認めた.穿通部はS状結腸であった.魚骨除去,大網膿瘍切除およびドレナージ術を行った.術後経過良好で術後21日目に軽快退院した.魚骨による消化管穿通による腹腔内膿瘍は比較的まれであり,その術前診断は困難であるが,CTスキャンは有用であった.
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