本研究における第1報において, 応力-ひずみ曲線中の力学的変化点付近において繰返し負荷後静的破壊実験を実施して, 動的負荷に対する実験結果に関する考察をなしたのであるが, 著者はさらに所期の荷重段階における動的応力-ひずみ関係を求めるため実験を試みた.すなわち, 本実験に当り応力振幅の下限荷重を1tとし, 各荷重段階の上限荷重を漸次上昇せしめて各回ごとに繰返し回数を多くした場合と, 応力振幅を1t~0.45P_u, 1t~0.55P_u, 1t~0.70P_uのように順次増大させた場合における応力-ひずみ, 応力-弾性係数の関係を求めて静的繰返し荷重の場合と比較考察したもので, その結果は第1報の場合の疲労に関する要素がこの実験からも立証できたものであり, コンクリートの疲労に関する機構が第1報とともに定性的に明らかとなった.さらに, これが定量的の解析としてこの場合の動力学的理論考察を試みたものである.