症例は49歳女性,2005年6月に転移性肝腫瘍を有する直腸癌に対して低位前方直腸切除術と経皮的肝ラジオ波焼灼術(以下,RFA)を施行した.同年8月よりCEAの上昇を認めたがCTでは再発所見は認めなかった.同年12月のCT-PET検査でRFA施行部の肝局所再発を認め,2006年2月肝部分切除施行した.術後FOLFOX療法を施行し,2006年5月よりUFT,ロイコボリン内服へ変更し,2007年1月よりUFT内服のみとした.同年8月よりCEAの再上昇を認め,9月のCT-PETで骨盤腔内の腫瘤が疑われ,TS-1内服再開した.2008年1月CT-PETで同腫瘤の増大を認め,両側卵巣摘出した.病理では直腸癌の卵巣転移と診断された.術後現在まで再発を認めず経過観察中である.直腸癌卵巣転移では完全切除できれば積極的に切除し化学療法を追加することで長期生存が得られる可能性があり,予後の延長が期待出来ると考える.