われわれは精神薄弱児専用の入院施設を建築し、およそ2年間に45名の治療を行った。今回はその結果と一定期間後の追跡並びに関連事項について述べた。注目すべき要点は以下の如きものである。1.入院治療は外来通院に対して患児の行動を正確に観察し、適確な治療を持続的に行なうことができ、また充分なる医学的検査ができる利点があった。2.児童の取扱者から入院の対象とされた症状はてんかん児に多い激しい行動異常を主としていた。行動が目立たない場合は入院の機会が少なかった。3.入院への隘路は経済的理由がもっとも多く、家族の無理解は少なかった。4.入院期間3ヶ月は、集団復帰もしくは環境適応性を検討するのに多少短かった。5.退院前に、家族、特殊学級教師もしくは施設職員に対し、症状と治療について充分啓蒙しておく必要を感じた。