1)2例の急性骨髄性白血病と1例の急性リンパ性白血病について。神経病理学的探索を試みた。2)症例1と症例3の2例に脳内大出血を認め、症例2はクモ膜下出血以外に脳内出血はなかった。3)臨床的生化学的検査成績と脳出血との直接的関連性は認められなかった。4)脳出血を起した2例共に若年者であったことは文献と一致した。5)出血巣は2例共に白質に選択的で、灰白質には稀であった。6)病理組織学的に血管変化と脳出血との関係が認められ、血管壁の変性、壊死、白血病細胞浸潤、破壊さらに出血と各段階追及できた。7)血管壁変化で、症例1は内膜より外に向って症例3では外膜より内へと変化が及んでいた。8)脳出血の主因は血管壁の変性に求められるべきで、さらに血液生化学的検索が要求されると思う。(症例は、山口医大第1、第2内科の入院患者で第1、第2病理で剖検した例である。)