症例は52歳女性.右血性乳頭分泌で当院を受診した.右乳房全体の腫大を認めたものの,明らかな腫瘤は触知しなかった.乳管造影では乳腺全体が造影され,乳腺MRIで乳癌パターンを呈した.乳汁細胞診でclass V,マンモテックが異常高値であり手術した.術中生検迅速標本診断で乳癌と確診され,胸筋温存乳房切断術が施行された.術後経過良好で再発なく健在である.乳腺MRI診断は(1)腫瘤がはっきりしない病変,(2)血性乳頭分泌症例の診断および(3)術式決定に有用と考えられた.
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