日本国内における地方から都市部への若年層の集中は地方経済を停滞させ少子化を加速する可能性があることから、重大な問題として認識されている。本研究では、その集中の要因を探るため、市区町村を対象に若年層の転入超過数および転入超過率を被説明変数、人口・労働環境・産業構造などの地域属性を説明変数とするモデルを構築しクロスセクション分析を行った。実際の分析では、被説明変数における外れ値の影響を軽減するために分位回帰を行い、また、各地域の特性を総合的に捉えるために主成分回帰を導入した。分析の結果、都市化の進んだ市区町村ほど転入超過数・転入超過率が高い傾向がある一方、一部の市区町村では都市化が進んでいないにもかかわらず転入超過率が高いことを示した。