Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72
published_at 2023-01-31
本研究の目的は、小学校通常の学級における児童の課題提出行動を対象に、相互依存型集団随伴性とトークンエコノミー法を組み合わせた介入とトークンエコノミー法の段階的なフェイディングを実施し、その効果を検討することであった。公立小学校5年生の通常の学級の児童(14名)を対象に、相互依存型集団随伴性とトークンエコノミー法を組み合わせた介入及び課題提出率のグラフフィードバックを行った。また、バックアップ強化子との交換基準や強化スケジュールの変更によるトークンエコノミー法のフェイディングを行った。介入の結果、児童の課題提出率が増加し、トークンエコノミー法をフェイディング及び撤去しても高い課題提出率が維持された。また、児童へのアンケート調査の結果、一定の社会的妥当性も示された。一方で、介入に伴う児童の負担感については課題が残された。