Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 72
published_at 2023-01-31
PCAGIP法は、事例提供者の提出した簡単な事例資料をもとに、ファシリテーターと参加者が協力して参加者の力を最大限に引き出し、その経験と知恵から事例提供者に役立つ新しい取り組みの方向や具体的ヒントを見いだしていくプロセスを学ぶグループ体験である。本研究では対面でのPCAGIP法を、可能な限りそのままのかたちでオンラインにて実施し、そのセッションの過程と参加者の感想から、オンラインPCAGIPならではの利点および問題点を検討し、その視点から改めてPCAGIP法の特徴について議論した。PCAGIP法はオンラインでも実施可能であり、多様な参加者を獲得できる可能性を有していること、今後は対面PCAGIPとオンラインPCAGIPの目的に応じた使い分けも有効といえるであろうこと、オンラインPCAGIPは身体性の欠如したテレプレゼンスを前提としており、それはもはやPCAGIP法そのものではないかもしれないこと等を論じた。