2012年に公表された中央教育審議会答申『新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~』では、学生の主体的な学びの促進とともに、個々の学生の学修成果の把握に焦点が注がれている。具体的には、学修到達度調査、学修行動調査、ルーブリックの活用などが例示されているが、高等教育分野におけるルーブリックの組織的な導入・活用実績は少なく、関連する実践的研究は不十分である。本研究では、共通教育改革の一環として開設された初年次教育科目『山口と世界』を対象に、 2013年度から2014年度にかけて、コモンルーブリック開発を行った目的や手法を提示しながら、その開発プロセスを通して得られた実践知や課題について明らかにする。さらには、成績評価におけるルーブリック活用の授業実践について取り上げ、学士課程教育における新しい学修成果測定の可能性を探る。