日本の高等教育機関では最近、学生の主体的な学びを促すアクティブ・ラーニングの手法のーつとして「反転授業」が注目を集めている。本稿では、反転授業の概要や大学等における導入事例を説明するとともに、反転授業を普及させるための要因を分析した。その結果、授業の補助教材として用いることができるオープン教材(OER) がインターネット上で広く提供されることや、家庭や学校でブロードバンド回線が整備され、安価な情報端末が普及していることなどICT技術の高度な発達が前提として必要であることが明らかになる。また、大学教育に反転授業を導入・普及させていくための留意点としては、大学教員が授業全体を設計する能力(授業デザイン力)を身に付けておく必要性やコースウェア的なビデオ教材に対する認識の転換の必要性、さらに、ビデオ教材そのものの資料化・素材化の必要性などが明らかにされる。
反転授業
アクティブ・ラーニング
lCT(Information and Communication Technology)
授業設計
ブロードバンド回線