Journal of higher education

山口大学教育・学生支援機構

EISSN : 1349-4163

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論文
As universities take actions to support the achievement of the Sustainable Development Goals (SDGs), Yamaguchi University has focused in part on visibility, making information about which SDGs are taught in each class easily accessible on the online syllabi. This can be valuable data to students, but it is also important for the university to have a better understanding of how well these SDGs are integrated into classes and where there is room for improvement. This study investigated the extent that SDGs have been implemented into course syllabi in general education classes. SDG frequencies were investigated for both faculty and class type, and were found to be more frequent in English language courses, and of similar overall frequencies but varying compositions between faculties.
PP. 1 - 8
本稿では、山口大学の入学者追跡調査による入学者選抜の検証の今後の在り方、分析手法の可能性を検討するために、決定木分析を試みた。決定木分析は、入学者追跡データを有効に活用し有意味な情報を見出す分析として有効であり、教育支援・学生支援として対応すべきポイントを提示できる。しかし、分析結果を入試改善にフィードバックする場合には慎重な解釈と対応が重要になることが示唆された。
PP. 9 - 18
入学後1 年以内に保健管理センターへメンタルヘルス相談に来た学生の入学時の精神健康状態について後方視的に調査し、入学時に行うスクリーニング検査の意義について改めて検討した。その結果、入学時の検査は1 年以内に大学生活に不適応を来しうるリスクを早い段階で予測できる可能性が示唆された。スクリーニング検査を受けない学生に対するアプローチ方法を検討していくことが、今後の課題である。
PP. 19 - 25
事例研究
DXが社会で一般的となっていることから、大学生のDXの認識度に関する調査を行った。「DX」という言葉を知っていると回答した学生は3割を下回っていた。またその取組機関として企業以外の機関のイメージは薄く、DXの定義をわかっている学生も4割に満たなかった。加えて「DX」という言葉の認知と理解度は等しくなかった。大学教育として全学的かつ文系講義の一幕としてDXの定義や事例を紹介しておくことが望ましい。
PP. 26 - 35
18歳人口の減少、大学進学率の上昇等により、志願者獲得が今後の大学の課題となる。説明会参加者の追跡調査の結果、説明会参加は出願に繋がっており、特に山口県内の志願者にその傾向は顕著であった。また総合型選抜や学校推薦型選抜等の特別選抜志願者、専門学科の高校生は説明会に参加し、出願する傾向にあった。従って進学希望者が積極的に説明会へ参加するように促す広報を行うことが志願者獲得には重要である。
PP. 36 - 45
実践報告
筆者は本学にて令和5年度後期よりYu-DXプログラム(地域の未来を担うDX人材育成プログラム)を構成する「DX概論」の授業を担当している。本稿ではこの授業を踏まえ、DX教育の実践について考察する。授業では、学生が課題解決においてDXを実践できる知識・態度を身に付けられるようにするため、実業におけるDXを適切に理解するとともに、コンセプチュアルスキル(概念化能力)を高めることに意を払っており、本稿ではこれらの点を中心に現状と、今後の取り組み課題を論述する。なお、DXはDigital Transformationの略称である。本稿ではDXと表記する。
PP. 46 - 54
近年地球温暖化が原因で地球の気温が上昇し、異常気象による洪水等が増加していると報道されている。今起こっている地球温暖化現象の意識調査を行うために「環境と人間」の授業の中で地球環境に関する問題を学生に回答してもらった。問題の正解率は低く、地球環境事象と学生の認識の違いが明らかになった。
PP. 55 - 58
共通教育の「山口と世界」は「山口」がキーワードである。著者は更に「環境」をキーワードに、環境教育の発展や自然豊かな山口のアピール等を目的とした「環境配慮活動計画作成」の課題を与え、その成果の実践例を紹介する。本学の環境マネジメントは環境マネジメント対策部会が中心になって環境配慮活動を行っているが学生の参画は少ない。この授業後に有志で部活、サークル、ボランティア活動において多くの学生に活動してもらいたいと考えている。
PP. 59 - 63
日本学生支援機構の実態調査によると、高等教育機関に在籍する障害等のある学生は増加傾向にある。本学でも障害学生の増加、障害種の多様化、支援希望者の増加がみられ、連動して支援リソースの不足や支援ニーズの競合、支援内容の複雑化といった新たな課題が生じつつある。既存の支援体制をベースにしつつ、支援の効率化、一般的な対応の充実、関係部署間の連携等を行うことが対策となり得る。
PP. 64 - 69
2021年6月に行われた「山口大学ヘルシーキャンパス宣言」のもと、保健管理センターはこれまで以上に学生・教職員の健康に寄り添い、安心して学び・働けるキャンパスづくりのサポートを行っている。本報告では、ヘルシーキャンパス宣言の一環として保健管理センターが取り組んだ「健康の森」および「ウォーキングチャレンジ2023」について紹介する。
PP. 70 - 74
山口大学は、地元の高等教育機関、自治体、産業界等と共に、令和4年11月に地域連携プラットフォームとして「やまぐち地域共創プラットフォーム」及び「うべ・未来共創プラットフォーム」を立ち上げた。これらは地域の課題を発見し、その課題の解決を通して地域の発展を促進することを目的としており、大学は研究活動から得られた技術や知見の提供、人材育成と輩出を通してこれらの目的を達成することが求められている。初年度は各プラットフォーム内で2つのワーキングを立ち上げ、活動を行った。今後の推進においては、認知度向上、効果検証、継続性確保に注力する必要がある。
PP. 75 - 80
本研究は、初級後半レベルである日本語II(総合)のクラスにおいて反転授業を導入した試みについて紹介し、そのメリット・デメリットについて分析および考察を行うものである。文法説明、基本練習を文法ビデオに収め、留学生はそれを視聴した上で対面授業に参加するという方法を実施した。その結果、留学生からの満足度が高く、学習効果も見込まれたが、一方でビデオを見ない留学生に対する働きかけにおいて課題が残った。
PP. 81 - 89
業務報告
令和4年の化学物質の自律的管理への法改正に伴い、「リスクアセスメント」を基軸とする「自律的管理」への移行への体制整備の重要性を前回簡単に述べた(藤原勇、森本宏志、近藤圭、2023)。令和5年は化学物質見直し対策部会(以下「部会」)を立ち上げ、国立大学協会の「大学の自律的化学物質管理ガイドライン」(仁科弘重ら、2022)を参考に安全衛生推進室の設置を含む体制及び安全教育の内容を検討し、化学物質管理委員会、役員会で承認された。本論文では部会で検討事項をまとめた。また、令和5年全学化学物質講習会の結果、及び共通教育化学実験の対応を紹介する。
PP. 90 - 93