景気低迷と長引く不況,国・地方の財政危機,人口減少・少子高齢化の進行など社会経済環境が激変する中,地方自治体にも大きな改革が求められている。こうした中,教育基本法改正等一連の法制度改編の中では,学校・家庭・地域の協働による地域教育コミュニティづくりの方向性が強調されたことから,総合行政の視点から新たな生涯学習推進計画の策定に取り組む自治体も増えつつある。本稿では,自治体における生涯学習に関する調査研究と生涯学習推進計画・体制構築の現状を明らかにした上で,筆者が社会教育委員及び生涯学習推進プラン策定アドバイザーを務める周南市を事例として,生涯学習市民意識調査結果と生涯学習推進計画策定の関連性,計画策定のあり方について考察した。その結果,意識調査結果の分析内容を推進プランに反映する視点を整理することができた。