外国人留学生から期待される日本語教師像を探ることを通して教師教育の課題を検討した。従来は,経験や勘を元に「日本語教師としてふさわしい資質」が提示されてきたが,本稿では縫部(2008)が示した海外での調査結果を照合枠として設定し,日本国内での留学生と日本人を対象とするマインド・マップ調査結果とを照合しながら検討した。その結果を元に,日本語教師に期待されている資質と行動特性を探り,教師教育の課題を考察した。日本語教師にふさわしい性格カテゴリーの中には,縫部(2008)がカウンセリング・マインドとしてまとめている属性が含まれている。