本研究の目的は、山口県阿武郡阿武町の国際協力事業の2008年の活動を整理し、JICA本邦研修のアジア・アフリカからの研修員や、日本の地域振興と国際協力に興味をもつ都市在住日本人との交流が、受入側である阿武町の地域の振興に与える影響を検討することである。これらの事業は、阿武町の地域づくりにおいては一面であるが、2008年の活動をとおして、短絡的で受動的な事業ではなく、地域も学ぶ双方向の研修事業を目指す主体的な事業に変わってきたこと、集落単位で取り組む兆しが表われたこと、都市在住の日本人とのつながりが広がっていることなどの効果がみられた。