インターンシップとアルバイトは,ともに大学生が取り組む就業にかかわる活動であるが,異質なものと理解されてきた。インターンシップの受入機関に比べてアルバイト先は豊富にあり,アルバイトにインターンシップの教育効果があるならば,量的拡大の可能性は高まる。インターンシップとアルバイトの両方を経験した大学生へのアンケート調査によると,就業意識ではインターンシップが優位であるのに対して,就業能力ではアルバイトが優位との結果を得た。学習意欲の面は両者ともに低い。大学生のアルバイトでインターンシップに期待する効果の一部は達成可能であり,かつ,アルバイトの方が高い効果をもたらす領域があることが示される。インターンシップの長期化を求める議論の一方で,長期を前提としたアルバイトを教育的にすることは,教育効果の高い学習機会の創出につながる可能性がある。