本研究の目的は、企業の新規株式公開(いわゆるIPO )に着目し、IPO企業が集中しているHOT市場で公開した企業をマーケット・タイミング企業と認識し、マーケット・タイミングが資本構成にどのような影響を与えるかを明らかにすることである。分析の結果によると、マーケット・タイミングによって、HOT市場で公開した企業はCOLD市場で公開した企業に比べ、公開価格が上昇し、資金調達額が増加している。また、資金調達額の増加により、IPO年度とIPO+1年度においては、HOT市場で公開した企業はCOLD市場で公開した企業より負債比率を大幅に低下させている。IPO+1年度以降の負債比率はほぼ同じ水準で推移している。