Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University

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Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 43
published_at 1992-12

A Study on Zokeiasobi (Formative Play) I : The Characteristics of Activities of Zokeiasobi and Its various Educational Sides

造形遊び論 I : 造形遊びの活動実践の特徴とその諸観点からの考察
Okada Masashi
Descriptions
本論の目的は、造形的観点から見ても教育的観点から見ても、実にユニークな特質をもつ、造形遊びの活動実践全般を考察することで、その意義・真価に対する認識を深めることである。 本論は、副題が示すように、「I造形遊びの活動実践の特徴」、「II造形遊びの諸観点からの考察」の、2章で基本的には構成され、最後に総括の章として、「III図画工作科における造形遊びの位置づけ」を設けることにした。 Iでは、主に造形的観点から造形遊びの活動実践を検討することで、造形遊びがどんな内容・性格の活動であるかを理解しようとした。IIでは、学校教育に関する諸種の観点から、その教育的意義に開する考察を様々に展開し、さらに遊びとの関係や目標・評価について概括的見解を述べることで、その広範な教育的側面を整理した形で理解できるよう試みた。そして、IIIでは、図画工作科カリキュラムを考える上で重要な、造形遊びの教科内での位置づけについて概観し、最後にその教育的意義の中心的事柄を要約することで、本論の総括とした。 なお、本論は、平成3年度「美術科教育特論演習II」の講義録・覚書に加え、これまで進めてきた造形遊びに関する諸考察を、1篇の論文として編み直したものである。論の構成・展開については、第8回教科教育研究会で準備した提案レジュメ1)をもとにしており、その題名を本論の副題とした。 * 本論は、1篇の論文として計画し執筆したものであるが、投稿原稿の長さに開する研究論叢投稿注意事項があるため、本論をI・IIの2篇に分け、続篇IIは『山口大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 第5号』に投稿することにした。 本篇Iには、最初の章Iと次章IIの「1.造形遊びを設定することの教育的意義」までを掲載する。続篇IIには、続く2つの節、「2.学習活動と遊び」と「3.造形遊びの目標と評価」、そして、終章IIIを掲載する。したがって、本論で示した参照箇所が、続篇IIの章・節等を指すことがあるので、そのときには続篇IIを参照願いたい。また、註の番号はI・IIにわたって通してつけることにした。