Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
published_at 2024-01-31
特別支援学校中学部に在籍する自閉スペクトラム症のある生徒に対して、自発的なハイタッチ行動の形成とその効果を検証することを目的とした。特定の活動終了直後に目の前に五指を開いた手が差し出されることでハイタッチ行動が生じていた生徒に対し、①「イエイ」や「ヤッター」などの音声言語、②研究実施者が差し出す手の位置、③研究実施者が差し出す手のひらの形(「グー」か「パー」)の3つのプロンプト組み合わせて段階的に提示したところ、これらのプロンプトがなくても特定の課題終了後に自発的にハイタッチ行動を生起するようになり、それが別の場面にも般化した。自閉スペクトラム症の生徒に対してハイタッチ行動のような非言語コミュニケーション行動を形成するための手段について考察した。