Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 73
published_at 2024-01-31
本研究では、公立小学校通常の学級に在籍する児童1名を対象とし、授業に参加しない離席行動を減少させ、授業に参加する行動がより生起(増加)するように、長期研修派遣教員と行動コンサルテーションを実施し、その効果等について検討することを目的とした。離席行動等に関するアセスメントの後、同校教員9名の協力によって作成されたストラテジー・シートに基づき、支援員も同席するフィードバック機会の設定、学級全体への支援と個別の支援の並行実践、複数の機能に対応する行動支援の同時、段階的導入を行った。それらにより、離席行動は激減し、授業に参加する行動が増え、担任の負担感も軽減した。このような結果をもたらした要因として、行動コンサルテーション実践(1)に引き続き設置した垂直サインによる提示方法、担任に対する支援案にアレンジを加えることも可とした配慮等が挙げられ、当研究で実施された行動コンサルテーションの有効性が示された。