Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University

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Bulletin of the Faculty of Education, Yamaguchi University Volume 38
published_at 1988-12

A Study of Anxiety under Threatening Situations

不安喚起事態の差異に関する検討
Iwanaga Makoto
Iwasaki Sadanori
Descriptions
本研究では、身体的危機状況と自我脅威状況の比較を行なった。実験条件として、電撃を受けるES条件、他者から観察されながら電撃を受けるES-OB条件、ならびに他者から観察されながらポルノの呈示を待つPV-OB条件の3条件を設定した。被験者は、ES条件で11名、他の条件はそれぞれ12名ずつ用いた。実験試行が始まり刺激が到来するまでの予期期間2分間を分析の対象とした。心拍水準と心拍変動性を不安の指標として条件効果を検討した結果、最も不安の高かったのはPV-OB条件であり、次いでES-OB条件が高かった。これにより、他者から観察される状況の方で不安が高まったこと、ならびに、身体的危機刺激である電撃よりも、自我脅威刺激であるポルノを用いた方が不安を高くすることが明らかになった。自我脅威状況で不安が高くなったのは、自己存在の中心的本質である自我を傷つけられ、否定される状況であるためと考えられる。