山口大学では平成25年度から共通教育カリキュラムの改革に取り組んできた.本研究では新しい共通教育に対して実施された3つのアンケートの結果を分析し,カリキュラム改革後3年を経過して明らかになってきたカリキュラム改革の成果と課題,さらに課題に対する解決策を明らかにする. 分析の結果,授業外学習時間,授業への出席率,授業理解度が導入前より有意に向上していること. 一方,授業の満足度は導入前より少し低下していること. さらに,授業目標の達成度については変化がなかったことなどが明らかにされる. さらに,学生がカリキュラム改革に満足している要因は,「バランスの良い科目配置」,「科目選択の不必要なこと」,「科目選択に対する作業負荷の軽減」などであること. 一方,教員の不満な要因は,「学生のモチベーションの低下」,「教員の負荷増加」,「大学らしい多様性を体得する機会の減少」,「初習外国語の履修機会の減少」などであることが明らかにされる.