Journal of East Asian studies

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Journal of East Asian studies Volume 15
published_at 2017-03

The folk art thought of Yanagi Muneyoshi and the revelations of which concerning inheritance and development of chinese traditional crafts

柳宗悦の民芸思想とその中国伝統工芸の伝承・発展への示唆について
Zhong Chaofang
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3.44 MB
D300015000006.pdf
Descriptions
中国は濃厚な郷土色と民族的風格を備え、且つ種類も豊富で多彩である伝統工芸を有しているが、近代化が進む中で、現在の中国伝統の工芸伝承・発展は地域的特徴の弱さ、現代性の欠如などの問題を抱えている。このようなことは生活文化の個性の衰退を招いている。日本の柳宗悦は民族文化の独自性を保つことと美の国を建設し人々の生活を潤すことにおいて、民芸を伝承し発展することの重要性と必要性を強調した。こういう意味で、日本の民芸に関する柳宗悦の思想は大きな現実的意義を持っていると考えられる。東アジの伝統工芸にはある程度の共通性が認められるので、中国の伝統工芸の伝承・発展を検討するために、日本の柳宗悦の民芸思想を代表として取り上げて考察する。本論文は日本の伝統工芸などの伝統文化の保護と発展に重要な役割を果たしている柳宗悦の民芸研究の思想を論じた上で、その研究が中国伝統工芸の伝承・発展への示唆について検討する。以下は結論である。柳宗悦は独特の視点で、名も無き職人の手によって作られた日用雑器の中に「用の美」を見出し、その真相を究明するために民芸運動を主導した。柳が提唱した民芸は、実用性、手工性、地方性などの特性を有しているので、各地域の特有の文化的個性が現れている。このような民芸品の普及により、各地方の人々の生活文化の多様性が増していくと考えられる。このような観点から見ると、中国の伝統工芸の伝承・発展に何らかの示唆を得ることができる。つまり、この示唆は中国伝統工芸が自国文化に根差し、現代生活に立脚点を置きながら、伝承・発展するということである。
Creator Keywords
柳宗悦
民芸思想
中国伝統工芸
伝承 
発展 
示唆