Journal of East Asian studies

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Journal of East Asian studies Volume 15
published_at 2017-03

The thought of wisdom politics in Liang Qichao's theory of middle class : As part of the new development of the theory of civil rights

梁啓超の「中等社会」論における賢人政治思想 : 民権論の新たな発展の一環として
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本稿では、梁啓超の「民」に対する捉え方を手がかりに、いままであまり体系的に検討されてこなかった梁啓超の「中等社会論」に焦点を絞り、「中等社会」という階層が近代中国の歴史において、果たしてどのような役割を果たしたのか、梁の「中等社会」論の実質は何なのかを明らかにすることを課題とする。梁啓超は1902年に「中等社会」という概念を提出して以来、自ら中等社会の一員として、中国の歴史発展の推進力を中等社会に求め、中等社会の役割を期待するようになった。中国人民が立憲政治を実行しうる能力がないことを論点として、梁啓超は1906年開明専制を主張し、その後、国会速開と責任内閣を要求する立憲運動が高揚すると、開明専制論を撤回し国会速開論へと転換した。ところが、中華民国成立後、梁は再び開明専制の実施を提唱し、中等社会(中堅階級)が多数の国民を率いることによって、賢人政治を行うべきだと強調した。本稿の論点は、具体的に次の3点に要約される。第一に、梁啓超は、中国の人民一般が立憲政治を実行する能力がないが故に、中等社会に期待せざるをえない。たとえ中国の中等社会の実態を楽観的に考えることはできないとしても、一般の国民に比べれば遥かに上流にあるという考え方を示した。第二に、中等社会が果たす役割は、まとめてみれば「政府を監督し、国民を導く」ことである。第三に、梁啓超は一般の中国人民を政治の客体とし、中等社会を政治の主体として位置づけた。このような梁の考え方から、彼の治国理念(開明専制)は儒家の「賢人政治」であることが窺える。