山口大学では,文部科学省・大学教育再生加速プログラム(AP)の一環として,アクティブ・ラーニング(AL)の全学的推進に取り組んでいる。この取組の重要な仕掛けとして,2015年度から導入したALポイント認定制度がある。当初は共通教育科目を中心とした試みであったが,2017年度からは専門教育科目を学士課程教育全体への拡充を進め,2018年度には,2019年度までの達成数値目標であるALポイント入力率70%を超える状況となっている。山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)では,ALの量的拡充だけでなく,質的充実を図るため,AL教育実践に特化したベストティーチャー表彰制度を創設した。ALベストティーチャー表彰制度は本学特有の制度であり,ALポイント認定制度を有効化する狙いがある。2015年度にALベストティーチャー表彰に関する制度設計を進め,関係規則の制定を行った。2016年11月には,前年度の授業実績を基に,厳正なる審査を経て,共通教育5科目を担当する教員(10名)がALベストティーチャーとして初めての表彰を受けた。ALベストティーチャー表彰制度では,当該功績を広く周知するとともに,本学教員のALに関する関心意欲の向上とAL実践の拡充をねらいとしている。本稿では,ALベストティーチャー表彰の制度設計と評価プロセスの具体,さらには,当該表彰制度の効果や課題について考察する。