Bulletin of the Faculty of Agriculture, Yamaguchi University

Back to Top

Bulletin of the Faculty of Agriculture, Yamaguchi University Volume 26
published_at 1975

Distribution of Fusobacterium necrophorum in Bovine Alimentary Tracts

Fusobacterium necrophormの牛における分布
Kanoe Masamitsu
Imagawa Hiroshi
Toda Mitsuyoshi
Descriptions
F.necrophorum は牛の肝腫瘍の主要な原因菌と考えられているが,該動物における本菌の生態はあまり明らかではない。今回,本菌分離のための培地の検討ならびに牛の消化管,内臓腫瘍および廐舎周囲の土壌における分布状況を調査したところ,以下のような成績をえた。比較検討した選択分離培地のうち,5%血液加変法FM培地(BFM)が F. necrophorum の選択性ならびに増殖性に関して最もよい成績を示した。そこで本培地により菌の分離を試みたところ,健康牛の第一胃より126例中63例,口腔より47例中4例,十二指腸より16例中1例,盲腸より16例中1例,結腸より16例中1例,直腸より16例中1例,糞便より148例中1例ならびに内臓腫瘍16例中11例から本菌が検出された。一方,土壌材料から本菌は分離されなかった。次に,第一胃液中における F. necrophorum の菌数を検討したところ,10^3~10^6/mlであった。分離菌株は,菌形態,集落性状,結球凝集性,液体培地における発育性ならびに0.1%寒天加培地中における集落性状等により Biovariety A および同 B に鑑別された。このうち, Biovariety A に属する株は第一胃液より17株ならびに内臓腫瘍より10株認められた。一方, Biovariety B に属する株は第一胃液より50株,消化管下部より5株ならびに上記腫瘍から1株検出された。(昭和50年6月30日受理)