社会的問題解決とは、社会的相互作用の中で「自己の人格的目的を達成するための自己主張及び自己抑制の過程」である。社会的問題解決方略には、性別、地位、親密さなどの当事者属性のほかに、社会的動機づけとしての解決目標も影響を果たしている。地域や文化により社会的問題解決方略と目標は特徴があり、それに関する検討は日米間、日英間といった東洋と西洋の枠組みの中で展開されてきた。しかし、同じく東洋文化圏に属する中国と日本の間に関しては行われていない。本研究は、仮想的な対人葛藤場面を設定し、中国と日本の大学生を対象に、社会的問題解決方略及び葛藤解決目標について比較検討することにした。(以下、略)