青年海外協力隊は独立行政法人「国際協力機構」(JICA)の事業の一つであり、40年間にわたり日本の青年を開発途上国に、主として社会開発に携わる人材として派遣し、2007年8月現在、活動を終えて帰国した隊員が3万人を突破した。隊員は広く国民から募集され、約90日間の派遣前活動を経て派遣される。その活動はボランティア事業であるということから、また事業自体は40年間継続しているが、個々の活動は2年間という期間限定であり、成果に対する評価を初めとして、その全体像は明らかにされてきていない。本稿では、隊員の派遣国における活動において、異文化適応が、活動目標に対する満足度と密接に関連していることを明らかにすることを目的とした。(以下、略)