不登校は、それを個人的な事情という面からだけで説明できるものではない。時代の変化に伴ってさまざまな形の欠席の変容がみられる。台湾でも日本でも子どもが学校へ行かないことは、公教育制度が始まるとともに存在したが、それは病気や貧困、親の教育への無関心などが原因であった。ところが、近年、子どもたちの登校を妨げるものとされていた従来の要因がないにもかかわらず、登校しない、あるいはできない子どもが現れてきた。また、不登校までには至らないが、学校に不満を持って行きたくないという登校回避感情を抱いている不登校の予備軍もいる。登校回避感情を抱えた生徒たちは、現在、登校しているものの、その感情にうまく対処できなければ、やがて欠席が行動化していく可能性が高く、事前防止も重要であることは明らかである。(以下、略)