Journal of East Asian studies

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Journal of East Asian studies Volume 2
published_at 2003-12

The role of housing for women's empowerment in Bangladesh

バングラデシュ女性のエンパワーメントにおける住宅の役割
Tsuboi Hiromi
Descriptions
本稿は、バングラデシュの農村部における貧困層の女性にとって、住宅がなぜ必要であり、住宅の所有者と非所有者では何が違うのかを、筆者の調査に基づき、グラミン銀行の事例を通して比較分析した。対象者は、住宅ローンを利用して自己名義の住宅を所有するに至った女性と、住宅ローンを借りていない女性である。主な分析結果は、次のように要約できる。財政面では以下のことが判明した: (1)住宅を建築するために、宅地の名義譲渡という形で男性(主に夫)からの協力を得ている。(2)住宅ローンの仕組みは宅地・住宅の所有者として女性を保護している。(3)住宅そのものが女性の大きな財産となっている。(4)女性にとって住宅は、老後の住み家となり得る永続的な居場所となっている。(5)貸家・貸間というビジネスが経済的な安定に寄与している。さらに、より大きな社会的意義については、以下のことがわかった。: (6)幸福感が強く、家庭内での夫との関係において、夫より地位が高いと感じている。(7)子どもの進学や生き方といった将来に関しては、子どもの性別にかかわりなく高い期待を寄せている。(8)女性間の充実したネットワークを持っている。