韓国において科学技術分野の人材に対する需要は急増しているが、高学歴女性は、労働市場において相対的に需要が少ない人文・社会系分野に集中している。この点をあげ、供給側面から、理工系分野で女性人材をより多く育成することが女性労働力の活用度を高めるための先決課題であるという認識が支配的である。果たして、理工系専攻者を量的に増やすことが、科学技術分野における女性の人材を育成し、全般的な女性労働力活用度を高めるための効果的な政策手段となりうるのか?本論文は、このような疑問から出発している。結論として、理工系専攻の女性達は初期労働市場への進入は容易であるが、長期的かつ安定的な進入経路を持ち得ないため、労働市場への統合程度が他の分野に比べてむしろ狭くならざるを得ないことが示される。