本稿の研究目的は、中国山東省の省都済南に位置している寛厚里というレトロ風商店街の老舗を主として、企業と観光客の再帰的なまなざしから、文化要素と観光要素をそろえたレトロ風の建造物地区における老舗の開発と発展が地域振興と文化継承に不可欠であることに注目し、その重要な役割を検証することである。そこで結論として、再帰的なまなざしは文化観光に役立つ機能を有していることを明らかにする。詳しく言えば、第1に、再帰性は老舗を含んでいる企業と地域文化が長く存続する不可欠な要素であることである。第2に、観光客のまなざしは再帰性に緊密な関係を持っていることである。