近年、中国は留学生の受け入れを積極的に推進している。2018年の教育部の統計によると、留学生が49万人に達しており、中国がアジア最大の留学生受け入れ国となっている。留学生の増加につれ、留学生間、あるいは留学生と一般大学生との国際交流に関する課題も増えると考えられる。だが、中国における留学生に関する研究は主に留学生政策、留学生の文化適応、留学生の管理に集中しており、留学生と一般大学生との国際交流に関する研究はほとんどない。本稿は留学生政策を整理した上、大学側の留学生教育担当者へのインタビュー調査および一般大学生へのアンケート調査を通して、一般大学生は高い交流意識を持っているにもかかわらず、交流の機会が少ないという国際交流の現状、そして大学側が国際交流に対して消極的な態度を示していることを明らかにし、その原因は、大学は留学生教育において「出島方式」を用い、留学生を外からの「お客さん」として扱い、卒業後に知・親華派としての活躍を期待しており、一般大学生との国際交流には無関心であることを論じる。