Journal of East Asian studies

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Journal of East Asian studies Volume 13
published_at 2015-03

A treatise on the present situation and problems of sick children's nursing care : for the construction of the sick-children's support networkby local collaboration

病児・病後児保育の現状と課題に関する一考察 : 地域協働による病児サポートネットワークの構築に向けて
Shonaga Kiyoshi
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2.21 MB
D300013000006.pdf
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本稿では,病児・病後児保育の現状と課題を考察する.子どもが急な病気になった際の社会的な支援システムとしては,院内保育所やファミリー・サポート・センター事業(以下ファミサポ事業という)の病児・病後児の預かり保育,早朝・夜間等の緊急時の預かり保育などの援助(病児・緊急対応強化事業)がある.政府によれば,子どもが病気の際に自宅での保育が困難な場合に対象となる事業類型には,(1)病児対応型(2)病後児対応型(3)体調不良児対応型(4)非施設型(訪問型)の4つのタイプがある.これらはこれまで保育対策事業の一環として政府と民間によって取り組まれてきた.本稿では第1節・第2節で,まずそれらが展開されてきた過程と現状を整理し,そしてそれぞれのタイプが抱える問題点と解決の試みの状況を示す.4つのタイプの事業はそれぞれ問題を抱えているが,第3節では,その中でも特に緊急の対応が必要と考えられる(3)の体調不良児対応型の事業に焦点を当てる.登園直前,または登園後に幼児期の子どもが急な体調不良となった場合,親の就労環境や家庭環境の事情から親が休暇を取得できないことが現実には多い.このようなとき,自宅で親はもちろん親族が子どもに付き添えない場合に,親が帰宅するまでの間,親に代わって子どもに対処できるシステムがこの(3)の体調不良児対応型の事業である. (以下,略)