学校では特別活動の学校行事の一つとして集団宿泊的行事を行っている。本論文ではその集団宿泊的行事の教育効果を性別に着目して研究した。調査の対象は浜松市立庄内中学校の第1学年105名とした。調査の方法には質問紙法を用い、調査は2時点(集団宿泊的行事開始前時、集団宿泊的行事終了時)で実施した。第1学年105名中、102名(男子52名、女子50名)から回答を得て、因子分析、分散分析を行った。因子分析を行った結果、「学級内信頼感」、「自己信頼感」、「他者理解」の3因子が抽出された。抽出された因子を尺度として用い、分散分析を行った結果集団宿泊的行事の教育効果は次の①~③のように尺度ごとに異なって表出した。①「学級内信頼感」は男子と女子で集団宿泊的行事の教育効果に違いがみられた。②「自己信頼感」は男子と女子で集団宿泊的行事の教育効果に違いがみられなかった。しかし、性別による得点差がみられ、また、学年全体としての教育効果もみられた。③「他者理解」は男子と女子で集団宿泊的行事の教育効果に違いがみられなかった。また、性別による得点差がみられず、学年全体としての教育効果もみられなかった。